DHA摂取時の過酸化物蓄積抑制は多剤耐性関連タンパク質による体外排出に起因するか
Project/Area Number |
17700582
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Eating habits, studies on eating habits
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Research Institution | Nara Bunka Women's College |
Principal Investigator |
久保 和弘 奈良文化女子短期大学, 衛生看護学科, 准教授 (40360705)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | ドコサヘキサエン酸 / DHA / 過酸化脂質 / 生体異物トランスポーター / 多剤耐性関連タンパク質 / MRP / 解毒 / 抱合体 / 脂質 / 食品 / 過酸化 / 抗酸化 / 解毒・排出 |
Research Abstract |
【目的】ドコサヘキサエン酸(DHA)は、非常に酸化され易く過酸化脂質(LPO)を生成し易いが、DHAの摂取は従来から予想されている程には組織のLPOを増加させず組織傷害も与えないことをこれまで明らかにしてきた。この要因として抗酸化成分・酵素に加えて、解毒・排出機構の関与が推測される。しかし、DHA摂取時に生成する酸化物の解毒・排出に関する報告はほとんどない。私は最近、DHA摂取時に肝臓において多剤耐性関連タンパク質(MRP)3のmRNA発現が増加することを見出した。本年度は、過酸化脂質ならびにその分解産物の尿中排出を担う腎臓に着目し、腎臓における有機アニオンならびに生体異物のトランスポーターの発現と、五PO分解物のGSH抱合体(メルカプツール酸)の尿中排出について検討した。 【方法】多剤耐性関連タンパク質(MRP)2を欠損しており、多数の有機アニオンおよび生体異物の不完全な尿中排泄を引き起こすEisai hyperbilirubinuria rats(EHBR)とその原型であるSD系ラット(SDR)に、リノール酸(LA,11.8%energy)またはDHA(DH,84%energy ; LA,3.0%energy)を含む飼料を31日間摂取させた(いずれも5週齢オス)。飼料はAIN-76組成に準じて調製し、飼料脂質は10%とした。DHA摂取に伴い生成する腎臓のLPO生成とトランスポーター(OAPK1,OAPK2,MDR1,MRP1,MRP2,MRP3)のmRNA発現、ならびに尿中メルカプツール酸を測定した。 【結果と考察】EHBRの腎臓TBARSはSDRのそれと比べて、LA摂取では有意差はなかったが、DHA摂取では有意に低かった。しかしaトコフェロールは、仏摂取およびDHA摂取ともにEHBRとSDRの問で有意差はなかった。一方、FHBRのMRP1とMRP3の腎臓mRNAレベルはSDRのそれと比べて、LA摂取では有意差はなかったが、DHA摂取では増加ないし増加傾向を示した。従って、EHBRの腎臓では、MRP2欠損に対する代償機構としてMRP1とMRP3が発現し、LPOが腎臓から血流へ輸送されてTBARSが低下した可能性がある。さらに、EHBRの尿中メルカプツール酸はSDRと比べて減少しなかったことから、MRP2以外のトランスポーターの尿中排出への関与が推察された。現在、投稿準備中。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)