Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
本研究では,STSP (Science, Technology, Society, and Peace)教材の開発ならびに没入感や臨場感の教育効果の検討を目的とした。 STSP教材については,長崎原爆を題材として取り上げ,浦上天主堂の被爆前と後をコンピュータグラフィックスで再現した。そして,コンピュータグラフィックスによる仮想空間内を自由に探索できるよう,3次元立体視可能なバーチャルリアリティ教材として完成させた。この教材では,学習者がコントローラーを操作することによって仮想空間内を自由に移動できる。また,学習者はボタンを操作することによって,原爆投下前と後の様子を切り替えられる。 続いて,先の教材を4つのクライアント・コンピュータと1つのホスト・コンピュータから構成される簡易式没入型バーチャルリアリティ提示装置(P-IPTS)で提示できるよう開発を進めた。P-IPTSは,5m×2mの大型スクリーンに液晶DLPプロジェクター4台を使って仮想空間を投影することができ,かつ,移動設置することが可能な装置である。設計時に,教材に取り入れることになっていた被爆者の映像については教材化することができなかった。 評価については,P-IPTSを特別教室に設置し提示実験を行った。高等学校の生徒を対象に調査を実施した結果,視覚的な効果が学習者の興味を喚起していたことが明らかになった。一方で,P-IPTSをより実用的なものにするため,教員を対象にアンケート調査を実施し,大型スクリーンとは別に,より小型のスクリーンも開発した。そして,教員が実際に授業で活用するために必要な条件を明らかにした。現職教員は,通常の授業での利用を想定した場合は,教卓より少し大きめのスクリーンがよいこと,3分程度で設置できるものがよいことがわかった。また,大人数では大きなスクリーンがよいことが明らかになった。
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