Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
近年、コンピュータの普及によりテストの分野でも、コンピュータ適応型テストが実用化の段階に入った。コンピュータ適応型テストの長所は、通常のテストと比較して、少ない問題数で高い測定精度が得られることである。また、従来のテストでは、広い範囲の学力を持った学生に受けさせることを考えると、レベルに合わせたテスト用紙を何種類も用意しなければならなかった。しかし、コンピュータ適応型テストでは、一つのシステムで受験が可能である。本研究では、教育効果を測るためのテストや心理テストなどの小規模テストに、より適したコンピュータ適応型テストのためのシステムの開発を行いたいと考えている。その際には、単にテストを行うというだけではなく、従来の紙と鉛筆で行ってきたテストのコンピュータ化を支援するための機能の開発も行う予定である。なお、共同研究者の許可を得て、開発を行ったシステムの評価のために、実際の受験者を使った実験を行い、有用性などの検証も行いたいと考えている。平成19年度には、18年度に引き続き、コンピュータ適応型テストシステムの開発を行った。このシステムには、17年度から開発を行っている項目反応理論の分析を行うためのソフトウェアの組み込みも行った。また、共同研究者の協力を得て、実験として、実際にテストの実施も行った。これにより、システムの完成度を高めることができたと考えている。