Project/Area Number |
17710011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental dynamic analysis
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Research Institution | Kyoto University (2006) Nagoya University (2005) |
Principal Investigator |
高橋 けんし 京都大学, 次世代開拓研究ユニット, 助手 (10303596)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 揮発性有機化合物 / 対流圏 / 大気化学反応 / 反応速度定数 / 反応生成物 / 量子収率 / レーザー誘起蛍光分光法 / 真空紫外レーザー / 揮発生有機化合物 |
Research Abstract |
自然起源および人為起源の揮発性の高い有機化合物のいくつかについて、大気中における分解・消失過程を解明するため、真空紫外レーザー誘起蛍光分光法と、フーリエ変換赤外分光法を用いた室内実験を行った。大気シミュレーションモデルに用いるための反応速度定数や反応生成物の量子収率を高精度に計測した。Cl(^2P_<3/2>)原子を直接検出できる真空紫外レーザー誘起蛍光法を用いて、295±2KにおけるCl(^2P_<3/2>)とAcetone,2-Butanone,2-Pentanone,3-Pentanone,Cyclopentanone,2-Hexanone,3-Hexanoneの反応速度定数をそれぞれ(2.30±0.02)×10^<-12>,(3.99±0.05)×10^<-11>,(1.23±0.34)×10^<-10>,(8.71±0.42)×10^<-11>,(1.19±0.08)×10^<-10>,(2.11±0.08)×10^<-10>,(1.36±0.11)×10^<-10>cm^3molecule^<-1>s^<-1>と決定した。ケトン化合物の大気中における消失過程では、海洋境界層などのCl原子濃度が高い地域の場合、OHラジカルよりもCl原子の方が酸化体としての寄与が大きいことがわかった。2-Butanone(CH_3C(O)CH_2CH_3)の反応では、-CH_2-からの水素原子引き抜きが優勢であり、その分岐比は0.73±0.09であることを、フーリエ変換赤外分光法による生成物の直接検出から明らかにした。さらに、生物体内への残存性・濃縮性を示す化学物質として世界的に問題化しているフッ化カルボン酸の大気化学反応を解明するために、C_xF_<2x+1>CH=CH_2とCl、OHおよびO_3との室温における反応速度定数をそれぞれ、(9.1±1.0)×10^<-11>、(1.4±0.2)×10^<-12>、(2.0±0.2)×10^<-19>と決定することに成功した。対流圏においては、ペルフルオロアルケンの約90%がOH反応により分解され、約10%がO_3との反応により分解されることを初めて明らかにした。これにより、フルオロアルケンの対流圏寿命を7.6日と算定することができた。また、主たる分解生成物はアルデヒド化合物C_xF_<2x+1>CHOであることが判明した。C_xF_<2x+1>CHOは、さらに大気酸化され、その一部はC_xF_<2x+1>COOHを生成すると考えられる。そのため、ペルフルオロアルケンは、ペルフルオロカルボン酸の前駆気体となり得ることが、本研究によって初めて示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)