Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
干潟上の大気・陸面・海洋相互作用に伴う,熱・物質輸送のメカニズムを解明することを目的とし,熊本港北側の干潟域に設置してある自動気象観測塔で乱流フラックス観測を実施した. 風速・気温などの乱流統計量の特性を解析した結果,海風条件では,干潟の干出・冠水時のいずれも安定度パラメータと良い関数関係が見られた.一方,陸風条件では,陸域・干潟・海水上に生じる移流・拡散の効果が重要である. 干潟上のエネルギーフラックスは,干出時刻および継続時間に応じ,地表面温度の加熱率が支配されることにより,顕熱フラックス・潜熱フラックス共に昼間の増加量が支配される.午前中の冠水時の潜熱輸送は100Wm-2以下である一方,干出とともに最大600Wm^<-2>に達する.日没直後数時間の冠水条件下では,不安定状態が維持され,海面から大気への100-150Wm^<-2>の熱フラックスが観測された. 夏季の晴天日を対象として,干潟上の地表面・海水面温度の時空間分布を赤外線サーモグラフにより観測した.干出時の温度変化率は5℃/時を超え,砂漣や巣穴等によりパッチ状の水溜りが形成され,空間方向に対し3℃以上の温度差が現れる.これらの微地形の影響について,熱物性の不均質性を考慮して,3次元の熱・水分移動の数値計算を行ったところ,砂漣の峰から谷間への浸透効果や法面の傾斜による入射日射エネルギーの数%のバイアスにより,地表面温度の不均質分布が形成される結果が得られた.また,LANDSATによる海面温度推定アルゴリズムの開発に際し,日平均値のトレンド解析を行い,測定時刻に対する線形補間で十分な測定精度が得られることを示した. 干潟上の二酸化炭素の収支は,夜間には大気側への排出,昼間の冠水時に海水側への取り込まれる傾向が観測された.日積分値で収支を求めたところ,4月から5月の春先には,干潟・海水側に吸収され,定生動物が活発となる夏季では,大気側への正の輸送が行われる傾向にあることが明らかとなった.
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