Project/Area Number |
17710027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental impact assessment/Environmental policy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
砂村 倫成 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (90360867)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 熱水・冷湧水 / 化学合成微生物 / ブルーム / FISH / 群集規定要因 / プルーム |
Research Abstract |
海底熱水や冷湧水活動葉地球のマグマ活動に伴う普遍的な現象であり、海洋や大気に放出される化学成分は膨大である。これらを直接利用する、もしくは二次的に利用する微生物群集の地球表層に及ぽす生物的な影響は当然大きいと予想されるにもかかわらず、その分布さえも全くと言っていいほど明らかになっていない。本年度は、昨年度以前に取得した、地質学的およぴ地理的に異なる条件下にある深海熱水(水曜海山、沖縄トラフ、南部マリアナ背弧拡大軸)や冷湧水噴出域周辺(日本海)のプルーム試料の微生物群集構造について、昨年度導入したDGGE法、Rainbow-FISH法、CARD-FISH法による解明を試みた。水曜海山では、現場での倍加速度が約1日であることを明らかにし(査読中)、水曜海山熱水プルーム中の微生物活性は非常に高く、カルデラ内に供給される有機物量の95%以上は化学合成微生物が生産していることが示された。水曜海山熱水プルーム中の微生物はCARD-FISH法などの増感手法を用いずと,も容易に検出が可能であることからも、水曜海山熱水プルーム中の微生物が高活性であることを支持している。その他の海域におけるプルーム中微生物は沖縄トラフ鳩間海丘およぴ南マリアナ海域を除き微生物の有為な増殖は認められなかった。鳩間海丘およぴ南マリアナ海域では、CARD-FISH法による増感により特定微生勢の検出が可能であり、DGGE法を併用した解析から、水曜海山とほとんど同じ硫黄酸化に関わる微生物が検出され、プルーム中で増加した微生物細胞の約半数に相当するごとが明らかとなった(投稿中)。このことから、北西太平洋の熱水活動域における熱水プルーム中では、γプロテオバクテリアに属する硫黄酸化微生物が卓越することが明らかとなった。硫黄酸化微生物の割合と噴出熱水の化学成分組成、熱水プルームの水深の間に明確な関連性は認められないが、熱水活動の熱源となるマグマの酸化度により、硫黄酸化微生物の割合が制御されている可能性が示された。
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