伝統的な牧畜システムの発展的応用による砂漠化対処のための基礎的研究

• Project/Area Number: 17710030
• Research Category: Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
• Allocation Type: Single-year Grants
• Research Field: Environmental impact assessment/Environmental policy
• Research Institution: Research Institute for Humanity and Nature (2007); Tottori University (2005-2006)
• Principal Investigator: 縄田 浩志 Research Institute for Humanity and Nature, 研究部, 准教授 (30397848)
• Project Period (FY): 2005 – 2007
• Project Status: Completed (Fiscal Year 2007)
• Budget Amount: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000); Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000); Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000); Fiscal Year 2005: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
• Keywords: 砂漠化対処 / 伝統的知識 / 牧畜システム / 乾燥地 / ラクダ / 文化人類学 / 社会生態学 / 環境影響評価手法 / 乾燥地域

Research Abstract

本研究では、アフリカ・西アジアを中心とした乾燥地において育まれてきた伝統的な牧畜システムを対象として、砂漠化対処策定の際に基礎となるデータの収集と解析を行うことにより、それらの結果を地域の特性に適した現地活動として発展的に応用するための具体策を構築することを目的としている。
これまで長期にわたる現地調査結果をもとづき考察を行ってきたスーダンの紅海沿岸域の事例から導かれた特質を基本的分析枠組みとし、アフリカ・西アジアの諸社会との比較を行ってきた。昨年度までの資料解析をもとに、サウディ・アラビア西南部アシール山地ビャクシン林における生計経済と野生動植物の利用、自然保護区と地域住民のかかわり、牧畜をめぐる地域住民と中央政府との軋轢の具体的な様態に関する研究成果を発表し、生物多様性の保全と生物資源の持続可能な利用による生態系管理に向けた課題を提示した。
本年度は対象地域をさらに広げ、中国・黄土高原の土地利用との比較分析を行った。
中国における砂漠化対処を目的とした政策のひとつである「退耕還林」について、リモートセンシングを用いて生態効果の検証を行うとともに、伝統的な土地利用変化の実態とそのメカニズムを明らかにし、当該地域における環境変化を人間活動に焦点をあてて実証的に解明することを目指した。それらの研究成果をもとに、黄土高原の暮らしと砂漠化・砂漠化対処の歴史の関係性について考察した。
砂漠化対処を目指した「退耕還林」政策の評価法として、ミクロな土地利用変化の分析による新しい方法論的な視点を提供した。

Research Products

• [Journal Article] 中国黄土高原における伝統的土地利用と退耕還林 (2008)
  • Author(s): 佐藤廉也・縄田浩志, ほか
  • Journal Title: 比較社会文化 14 Pages: 7-21
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] リモートセンシング地表面パラメーターを用いた中国黄土高原「退耕還林(草)」緑化プロジェクト生態効果の検証 (2007)
  • Author(s): ブホー・オーツル・縄田浩志, ほか
  • Journal Title: 沙漠研究 17 Pages: 87-91
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] Social Importance of Junipers (2007)
  • Author(s): Nawata, Hiroshi
  • Journal Title: The Joint Study Project on the Conservation of Juniper Woodlands in theKingdom of Saudi Arabia (Final Report) Pages: 263-286
• [Journal Article] Human-camel relationships in coral reef and mangrove ecosystems (2006)
  • Author(s): Nawata, Hiroshi
  • Journal Title: Proceedings of 10^<th> International Coral Reef Symposium, Okinawa Pages: 1194-1203
• [Journal Article] 乾燥熱帯沿岸域の食生活 : スータン東部、紅海沿岸べジャ族の事例から (2006)
  • Author(s): 縄田浩志
  • Journal Title: 沙漠研究 16-1 Pages: 1-18
• [Journal Article] Historical Socio-Economic Relationships between the Rashayda and the Beja in the Eastern Sudan (2005)
  • Author(s): Nawata, Hiroshi
  • Journal Title: Senri Ethnological Studies 69 Pages: 187-213
• [Journal Article] 乾燥熱帯沿岸域と牧畜システム:人間・ヒトコブラクダ関係に焦点をあてて (2005)
  • Author(s): 縄田浩志
  • Journal Title: アジア・アフリカ地域研究 4-2 Pages: 229-248
  • NAID: 130007535036
• [Journal Article] 2つのエコトーンの交差地としてのスーダン東部紅海沿岸域:ベジャ族の適応機構を探る (2005)
  • Author(s): 縄田浩志
  • Journal Title: 地球環境 10-1 Pages: 17-28
• [Journal Article] 教室における異文化ショックの疑似体験の試み (2005)
  • Author(s): 縄田浩志
  • Journal Title: The Journal of Policy Studies 20 Pages: 89-116
• [Presentation] 日本の教育現場でアフリカの飢餓・内戦を考える実践的研究 (2007)
  • Author(s): 縄田浩志
  • Organizer: 日本文化人類学会
  • Place of Presentation: 名古屋大学
  • Year and Date: 2007-06-02
• [Presentation] 写真「ハゲワシと少女」の最も近くにいた日本人 (2007)
  • Author(s): 縄田浩志
  • Organizer: 日本アフリカ学会
  • Place of Presentation: 長崎大学
  • Year and Date: 2007-05-26
• [Presentation] アフリカ、熱帯内収束帯の南北方向変動に対する現地住民の社会的、文化的、宗教的応答:スーダン東部ベジャ族の適応機構から考える (2007)
  • Author(s): 縄田浩志
  • Organizer: 日本沙漠学会
  • Place of Presentation: 総合地球環境学研究所
  • Year and Date: 2007-05-19
• [Presentation] スーダンの飢餓・内戦への眼差し (2007)
  • Author(s): 縄田浩志
  • Organizer: 日本中東学会
  • Place of Presentation: 東北大学
  • Year and Date: 2007-05-13
• [Presentation] 少女の瞳と少年のおちんちん (2007)
  • Author(s): 縄田浩志
  • Organizer: 日本ナイル・エチオピア学会
  • Place of Presentation: 慶応大学
  • Year and Date: 2007-04-15
• [Book] アフリカの人間開発-実践と文化人類学(分担執筆「シルック王クウォンゴとの対話」) (2008)
  • Author(s): 松園万亀雄・縄田浩志・石田慎一郎編著
  • Total Pages: 352
  • Publisher: 明石書店
• [Book] 新しい乾燥地科学シリーズ5巻黄土高原の砂漠化とその対策(分担執筆「黄土高原の暮らし」「砂漠化・砂漠化対処の歴史」) (2008)
  • Author(s): 山中典和編著
  • Total Pages: 247
  • Publisher: 古今書院
• [Book] はじまりとしてのフィールドワーク(分担執筆「少女の瞳と少年のおちんちん」) (2008)
  • Author(s): 李仁子・金谷美和・佐藤知久編著
  • Total Pages: 317
  • Publisher: 昭和堂
• [Book] 講座ファースト・ピープルズ第5巻サハラ以南アフリカ(分担執筆「ベジャ」) (2008)
  • Author(s): 福井勝義・竹沢尚一郎・宮脇幸生編著
  • Total Pages: 394
  • Publisher: 明石書店
• [Book] サウジアラビアを知るための65章(分担執筆「アシール山地の自然保護と地域住民のかかわり」「ヒョウを罠でしとめる」「アシール山地の農業」「ハチミツの味わい」「詩を吟じて男になる」「文化祭典ジャナドリーヤ」「ラクダ・レースのジョッキーたち」) (2007)
  • Author(s): 中村覚編著
  • Total Pages: 378
  • Publisher: 明石書店
• [Book] 朝倉世界地理講座第11巻アフリカI(分担執筆「スーダンの飢餓・内戦へのまなざし」) (2007)
  • Author(s): 池谷和信・佐藤廉也・武内進一編著
  • Total Pages: 448
  • Publisher: 朝倉書店
• [Remarks]
  • URL: http://www.chikyu.ac.jp/arab-subsistence/Welcome.html