富栄養化による食物連鎖長の変化に注目した水域生態系の健全性評価法の確立
Project/Area Number |
17710036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental impact assessment/Environmental policy
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
丸山 敦 Ryukoku University, 理工学部, 助教 (70368033)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 食物網構造 / 河川生態系 / 安定同位体比 / 雑食 / 健全性 / 食物連鎖長 / 環境指標 / 生物多様性 / 食物網 / 食物連鎖 / 雑食化 / 多様性 / 安定同位体 / 魚類群集 / 水生昆虫群集 |
Research Abstract |
過去2年で、複数の琵琶湖流入河川下流部で採集された生物試料を用いた安定同位体分析、胃内容分析、群集解析を行ってきた。特に、栄養塩濃度増加に対して、底生動物(消費者)の群集レベルの反応、魚類(捕食者)の食性における反応を把握するための試料およびデータが得られた。 本年度は当補助研究の最終年度のため、上記情報を補足する目的で、次の2つに取り組んだ。 (1)上記調査で確認された"付着藻類の窒素同位体比が栄養塩濃度の高い河川ほど低い"傾向より、栄養塩と内部(付着藻類)基礎生産には濁度増加を介した負の関係があると推定し、確認のための水槽実験を行った。溶存酸素の変化から求めた光合成活性特性(光-光合成曲線)および推定生産量は、予測を支持する河川間変異を示した。 (2)上記調査で確認された"富栄養化に伴う捕食者の雑食性および外部依存性の増加"傾向のメカニズムの一端を探る目的で、底性魚類の雑食化が(餌生物の群集組成変化を伴わずとも)濁度変化のみでどの程度誘導されるかを調べる飼育実験を行った。実験魚トウヨシノボリは、濁度上昇に伴い摂食量を減少させたが、最大濁度(200NTU:琵琶湖流入河川で最も富栄養化が進んだ河川に相当)において、摂食量を回復させた。水生昆虫が消化管内容に占める割合は、濁度とともに上昇した。これらは野外調査からの予測と相反する結果であり、底性動物-底性魚間の捕食被食関係における有利不利の把握が容易でないことを示唆した。 本研究は、群集レベルでの環境応答(食物網構造)を、個体レベルの現象(食性変化)まで考慮して取り組んだ挑戦的な実証研究である。富栄養化に伴う水生生物群集の応答の理解、および群集の健全性評価を考える重要な情報を提供する。結果の大半は既に学会で発表されており、実験データの微補強の後に近く生態学系の国際学術誌に投稿される。他水系への汎用性を確認するための発展研究が期待される。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)