環境同位体を用いた地下有機溶媒汚染モニタリング技術の開発
Project/Area Number |
17710069
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental technology/Environmental materials
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization (2006) National Institute for Rural Engineering (2005) |
Principal Investigator |
土原 健雄 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所・農地・水資源部, 研究員 (30399365)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 地下水 / 環境同位体 / 有機溶媒汚染 / ラドン(^<222>Rn) / PITT |
Research Abstract |
地下水中の難水溶性溶液(NAPL, Non-Aqueous Phase Liquid)の汚染範囲,漏洩量の推定手法を開発するために,環境同位体を指標として用いた実験を行った.推定手法としては,分配トレーサーが非分配トレーサーに比してNAPLへの分配が遅延するという特性を利用したPITT(Partitioning Interwell Tracer Test)法を採用した.本研究では,砂層カラムによる飽和状態におけるPITTを実施した.カラムはステンレス製角型パイプ(14×14×120cm)を用い,豊浦標準砂を蒸留水とともに封入した.NAPLとしてトリクロロエチレン(TCE)を用いた.分配トレーサーとして地下水中に元来存在する環境同位体であるラドン(^<222>Rn),非分配トレーサーとしてBrを用いた.また実験期間中の平均流速は9.4×10^<-3>cm/sであった.カラム下流側で自動採水器により採水を行い,ラドンについてはトルエンによる溶媒抽出後液体シンチレーションカウンタにより,Brについてはイオンクロマトグラフにより分析を行った.PITT試験開始後,Brは66分後に濃度のピークを示すのに対し,ラドンは70分後にピークを示す.またBrの破過曲線(濃度と経過時間の関係曲線)は濃度の上昇とピーク後の濃度の低下が対称なベル型を示すが,ラドン濃度はピーク後緩やかに低減し,破過曲線はベル型を示さない.これらは非分配トレーサーであるBrはカラム中のTCEに分配されずに流下するのに対し,ラドンはTCEへの分配により到達が遅延することに起因すると考えられる.これらの結果より,地下水中のNAPLの汚染推定におけるラドンの指標としての有効性が明らかとなった.
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)