フェムト秒レーザーを利用した超微細光制御素子の開発
Project/Area Number |
17710098
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nanomaterials/Nanobioscience
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
下間 靖彦 京都大学, 国際融合創造センター, 産学官連携助教授 (40378807)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | ナノ材料 / 格子欠陥 / 高性能レーザー / フォトニック結晶 / 光機能デバイス / フェムト秒レーザー / パルスレーザー / Agイオンドープガラス / 熱拡散 / ナノ粒子 |
Research Abstract |
フェムト秒レーザーを透明材料内部に集光照射すると、その焦点近傍のみが構造変化するが、構造変化とレーザー光の相互作用を明らかにすることを目的に、パルスの繰返し周波数が異なるフェムト秒レーザーパルス光をアルミノシリケートガラス内部に集光照射し、ガラス構成元素の拡散等の挙動を評価した。繰返し周波数1kHz(パルス間隔:1ミリ秒)の場合には焦点近傍における元素の移動は観察されないが、繰返し周波数を200kHz(パルス間隔:5マイクロ秒)の場合には、元素移動が観察された。特にガラスの網目形成元素であるSi、Alは中心に、一方網目修飾元素であるCaは焦点の周囲に移動した。これは、レーザー光の焦点近傍が高温・高圧状態(理論計算から温度:3000K以上、圧力:0.3GPa)となるため、ガラス骨格を形成しているSiやAlは収縮して中央部に集まった結果、Caが外に押しやられたためと考えられた。このパルスの繰り返し周波数による相違は、熱拡散の影響によると考えられ、繰り返し周波数200kHzの場合、レーザーのエネルギーが焦点付近で吸収されて熱に変換し、その熱がパルス間隔(5マイクロ秒)の間にアルミノシリケートガラス内をわずか約150nmしか拡散できないが、一方繰り返し周波数1kHzの場合、パルス間隔(1ミリ秒)の間に熱は約30μmも拡散することを計算により求めた。照射するフェムト秒レーザーの繰り返し周波数が十分に高い場合、熱が蓄積される結果、焦点近傍の元素移動が誘起されたと考えられる。以上のことから、材料の熱拡散に適したレーザーパルスの繰り返し周波数を選択することによって、誘起される構造を制御できることをを明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)