Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
本年度は,都内23区を対象として,昨年度までの犯罪誘発要因の整理および防犯対策の体系化と防犯堺境環境手法の検討結果などをもとに,ハード・ソフトの防犯対策をどのくらい実施すれば,どの程度の犯罪低減効果が得られるのか,を検証した。 具体的には,まず,警視庁および23区内の区役所へハードな防犯対策(種別,数量,設置場所・運用開始年,対策費用)についてヒアリング調査を行い,その調査で得たハード対策の実績値と刑法犯認知件数(警視庁情報公開,平成13年〜18年)の減少率の関係を町丁目単位で統計的に分析した。本分析の結果,防犯カメラ・防犯灯・スーパー防犯灯については,その設置数・設置密度および設置に必要な事業費はある一定値まで刑法犯認知件数の減少率と正の相関を示すが,ある値を超えると全く相関を示さなくなることがわかった。さらに,地域防犯活動などのソフトな防犯対策についても,資料等の入手が可能であった新宿区などを対象として対策の実績値と刑法犯認知件数の減少率の関係を町丁目単位で分析を試みた。その結果,対策実施とその効果について一定の関係性を有していることは確認できたが,資料・情報の制約と精度の問題もあり,顕著な関連を見いだすまでには至らなかった。これまでの都市防犯研究ではハード・ソフトな防犯対策の実施による効果を定量的に検証した既往研究は殆どないが,本研究により防犯対策とその効果の関係の一端を明らかにすることができた。本研究の成果は,対策の実施効果や費用対効果を念頭においた都市の防犯環境整備を推進するうえで意義あるものと考えている。 また,本年度は最終年度であり,本研究期間で明らかになった多くの成果をとりまとめ,ハードとソフトの双方からGISを有効に利活用したより効果の高い都市の防犯環境整備の方法について考察を行った。
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