ステファヌ・マラルメを中心とする19世紀末フランス第三共和制の<危機>の諸相研究
Project/Area Number |
17720048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
ヨーロッパ語系文学
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中畑 寛之 神戸大学, 文学部, 非常勤講師 (70362754)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | ステファヌ・マラルメ / 19世紀末フランス / 第三共和制 / フランス文学 / データベース |
Research Abstract |
ジャック・ドゥーセ文学図書館での資料調査により、「ある主題による変奏」校正刷の批評校訂版を修正・調整し、最終的に「生成批評版」として完成させた。著作権の関係でまだHP(http://www.geocities.jp/mal_archives/)上での公開はしていないが、将来的には公にできたらと考えている。その批評連載に直接・間接に関わるであろう諸テクストは「ルヴュ・ブランシュ」誌に掲載されたものを中心に書誌を作成し、そのうちのいくつかをデータベース化した。この作業は今後も継続的に進め、マラルメをめぐる言説ネットワークをより緻密なものにしていきたい。 今年度はまず6月に関西マラルメ研究会で「マラルメ-ヨーロッパより見たる」を発表。ヨーロッパという視点からこの詩人を考えると同時に、マラルメが「ヨーロッパ」という場をどのように捉えていたのか、そしてその可能性について問題提起をした。 10月には日本フランス語フランス文学会秋季総会で、「中心の虚無に立ちもどる-マラルメの『カトリシスム』をめぐって」と題し、学会発表をおこなった。ベルトラン・マルシャルが『マラルメの宗教』を刊行した1988年以降、この詩人における宗教の重要性は誰しも認めるところだが、カトリックの代換宗教としてイメージされることの多いその「宗教」に対し、そのようなキリスト教への準拠それ自体を問い直すことから、マラルメの宗教とはどのようなものであるのかを明らかにしようとした。その際、「カトリシスム」を書く契機となったユイスマンスの『出発』をめぐる当時の批評言説との関係を踏まえたうえで、この批評詩を『出発』への応答として読み、詩人の狙いを考察した。この発表は現在、学会誌掲載のための査読中である。 また、詩人の別荘があるヴァルヴァンで起こった出来事から書き起こされた「葛藤」と「対決」を採りあげ、文学の場(あるいは社会におけるその余地)を「労働」という視点から論じた。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)