Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2007: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
平成19年度は,これまでの研究成果の発表に力を注いだ。具体的には,まずATELAS発行のニュースレターにおいて,日本における「文学作品を用いた英語教育」の歴史と現状を報告した。また,平成19年7月31日から8月3日まで関西外国語大学にて開催された国際文体論学会(PALA)の年次大会において,認知文体論および教育的文体論の観点から,英語教育のための文学テキストの活用法に関して論じた。この発表では特に,本研究の一環として2度訪れた英国Arnbrook小学校のリテラシー教育の内容にも言及しつつ,文体論と物語論を応用した読解演習や英語による創作活動の可能性に関しても論じた。また,この学会を通じては,Geoffrey N.Leech氏やSilvia Adamson氏など国内外の著名な英語学者か英語文体論者と議論を深める機会があり、今後この分野の研究を続けていく上で大変貴重な経験となった。 平成20年3月には,これまで実施してきた英語文体論の研究の集大成として,Oxfordの出版社であるPeter Langより,Polyphony in Fiction:A Stylistic Analysis of Middlemarch,Nostromo,and Herzogを出版した。これは,文学研究における文体論および物語論的視点の重要性を説いたもので,特に「視点」と「話法」に関するこれまでの先行研究を踏まえ,小説のポリフォニーを分析する上で有効な理論とフレームワークの構築を試みている。また,このフレームワークを用いて英米文学において評価の高い3編の長編小説を分析し,文学批評のツールとしての文体論の価値と汎用性を再考している。今後は,本研究の成果を踏まえ,文学研究および英語教育の視点から英語文体論の可能性を追究していきたい。
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