Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Research Abstract |
本年度は国内外の現場教師と連携し,実際の現場において本システムの利用を通した評価を行うと同時に,その本システムを利用した音声教育実践の検討と分析を行ってきた。また,前年度に引き続き,日本語音声教育を中心に音声データベース,CAI,CALL,音声分析ソフトなどを収集・試用し,音声教育へのコンピュータ利用可能性の観点から現状と問題点を整理・分析することを通して,本システムの評価を行った。 その結果,音声教育支援のためのコンピュータの機能として大きく(1)音声の検索・整理・分析,(2)聞き取り・発音練習,(3)比較,(4)視覚化,(5)合成,(6)評価が整理され,本システムでは特に(4)が(2)(3)と組み合わされた形で配備されており,授業実践においては教師の適切な支援により,学習者のメタ認知を効果的に促し得るものとして評価された。具体的には,学習者が自律的に自身の発音・聞き取り上の問題点を改善するための認知過程,つまり「問題点の認知と分析→改善のための試行錯誤→修正」の過程において,教師が本システムを活用することにより,学習者による認知対象の観察と制御を支援し,学習者のメタ認知を活性化する事例を見出すことができた。しかし,コンピュータの効果的な利用に際しては,各現場において上記機能をいつ,何のためにどのように利用するのか、コース・デザインの中で考えることが大前提であることが改めて指摘される。場当たり的にあるリソースを安易に利用するのでは意味がなく,体系的・計画的・継続的な音声教育のどこにどのように組み込んでいくのかが十分に検討されなければならない。音声教育の理念的な検討が不十分であることが,コンピュータの音声教育への利用に向けた大きな課題である。
|