弥生・古墳時代における日韓墳墓出土鉄製武器の比較研究
Project/Area Number |
17720211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Archaeology
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Research Institution | National Research Institute Cultural Properties, Nara |
Principal Investigator |
豊島 直博 National Research Institute Cultural Properties, Nara, 都城発掘調査部, 研究員 (90304287)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 弥生時代 / 古墳時代 / 鉄製武器 / 鉄剣 / 鉄刀 / 国家形成 / 日韓 / 墳墓 / 鉄ヤリ / 原三国時代 / 三韓時代 / ヤリ |
Research Abstract |
本研究では,弥生・古填時代における日本と韓国の墳墓出土鉄製が器を観察し,分類と編年をおこなった。日本の古墳には刀剣,ヤリが副葬され,それぞれ装具に着目することによって新たな編年を構築することができた。いっぽう,韓国の刀剣類は鉄本体の構造こそ日本の例と似ているものの,装具の構造はまったく別物であることが判明した。つまり,日本の古墳に副葬された鉄製武器には韓国産製品が含まれるが,装具は日本国内で取り付けられ,完成品が流通するというしくみを解明した。研究成果については個別に論文を執筆するとともに,研究成果報告書をまとめた。 従来の国家形成論では,鉄の流通を重視する場合は3世紀前半,鉄器の普及による生産力の発展を重視する場合は5世紀中頃が国家形成の画期とされ,4世紀は過渡期と扱われることが多かった。 いっぽう本研究では,刀剣類の編年を総合して古墳時代前期を3つに区分した。前期前葉から中葉段階では舶載鉄器の掌握,前期後葉では素材の獲得と刀剣生産の開始,中期初頭には鉄素材の掌握が達成される。最初に舶載の優品を掌握し,次第に鉄素材の掌握へと発展する点に,日本列島の国家形成の特色があると考えた。 しかし,本研究では日本の資料を中心に成果を報告し,韓国の武器については大まかな傾向を把握するのみに留まった。韓国における資料調査の成果を文章化することが当面の課題である。 また,国家形成論については鉄を巡る情勢の変化を叙述することに終始し,どの段階をもって国家とするのか明示することができなかった。今後は古曲学説を含む諸理論や,軍事組織論,東アジア情勢を取り入れた分析が必要である。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)