Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
本研究は、環境法領域を素材として、協働型行政システムに関する法制度の比較研究を目的とする。今年度は、日本法の実態調査研究および日独比較研究を中心に実施した。 前年度に実施した日本法の制度理論研究を踏まえて,行政実務における具体的な取り組みを対象として実態調査を行った。環境法の領域において,合意形成や協働関係を基礎とする政策決定や施策実施が,個別事例の中でどのように進められているかを明らかにする観点から調査を進めた。具体的には,温暖化対策,廃棄物処理,水資源の利用・管理,自然保講,自然再生の分野を取り上げ,環境省および地方自治体における実務状況につき調査を実施した。協働的手法が採用される場面には,新しい取り組みが進められている分野が多く,掲げた協働理念を実際の政策決定や施策実施で具体化する困難さもうかがえた。 次に,日本法の実態調査および前年度までの研究内容をもとに,日独比較研究を実施した。これまでに調査した領域では,問題事例の内容,それに対する対処手段に関して,両国間に共通点が見受けられた一方,協働に関わる主体をめぐる状況や協働へのインセンティブを与える制度構造に差異が見られた。ドイツの場合,とりわけ,EUとの関係において戦略的な環境政策が採用されており,それにより企業や地域住民にとっても行政と協働するインセンティブを得られる構造になっている点に興味深い特徴がうかがえた。 なお,時間等の制約により,いくつかの事例に関して計画していた実態調査を十分に行うことができなかった。実態調査の不十分な部分につき,追加調査により補完した上で,最終的な成果をとりまとめたい。
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