Project/Area Number |
17730055
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Civil law
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 哲生 北海道大学, 大学院法学研究科, 教授 (80230572)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 保険 / 故意免責 |
Research Abstract |
前年度に故意免責における故意の意義について、日本保険学会で報告したことを受けて今年度は、故意の意義についての論文をまとめあげた。故意免責の根拠は、違法行為に関わる事故招致の助長などの公序良俗に関わる部分と、公序良俗とは関係のない保険者の引受の問題という部分の2つのものがあり、商法641条が規定するのは後者の部分に関わる問題であるという視座から、故意の意義、故意の対象について考察した。特に、故意の対象に関しては、故意行為と損害との間の因果関係としてどの程度のものが必要かという視点が必要であることを明らかにしえたと考えている。 これを受けて、今年度はさらに、法人による事故招致、公序良俗に関わる故意免責について検討した。法人による事故招致においては、法人におけるどのような地位にある者が事故招致をした場合に保険者免責とすべきかが問題であるが、これは商法641条の解釈としての問題と約款の解釈および効力の問題に分けられる。いずれも本質的には、保険者の引受という見地から、どの範囲の者の行為を予め免責の対象として考えるかという問題であるが、641条の解釈の問題としては、それが保険契約者または被保険者の行為と評価できなければならないという縛りがかかるため、保険事故の招致という事実行為について、法人組織における誰の行為を法人の行為と評価することができるかという視点も必要となる。これに対して約款の問題としてみれば、書き方さえきちんとしていれば、法人としての行為という問題とは関係なく、免責の範囲を広げることが可能になる.もちろん約款の有効性の問題は残るが消費者保護的要素を除けば基本的には有効と解してよいように思われる。また、公序良俗については、民法90条における公序概念の拡大の流れの中で、故意免責も位置づける必要があるものと思われる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(5 results)