一般条項による不当条項規制と契約全体との関連性に関する研究
Project/Area Number |
17730072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Civil law
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
野田 和裕 広島大学, 大学院社会科学研究科, 助教授 (90294503)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 約款 / 不当条項 / 一般条項 / 約款規制 / 契約全体 / 補償理念 |
Research Abstract |
本研究は、比較法的研究の成果を踏まえながら、わが国おける「契約全体からみた権利・義務の均衡」という観点からの規制法理を提示し、従来、「合理的解釈」の名の下で行われてきた法的判断プロセスを解明し、一般条項による無効判断の基準を明確化することを目的としている。 そこでまず、契約条項の不当性判断に際して、他の条項との関連、契約全体との関連を考慮に入れた自覚的な議論がなされているドイツ法(新債務法)および他のEU加盟国の法理論状況を分析することとした。 単独では許容される内容の個別条項が他の条項との相互作用の結果として契約相手方に不当な不利益を惹起するという場合(増幅作用)があるし、逆に、個別条項がそれ自体としては一方当事者に著しい不利益をもたらすのだが、契約全体との関連でみれば、不当とまではいえないという場合(補償作用)が出てくることが、判例法理においても明確になっている。学説上では、そこからさらに、契約条項の作成者は、ある条項による契約相手方の不当な不利益を契約全体のバランスの中で解消すべきであるとする考え方(補償理念)が広く支持を集めており、契約条項の不当性判断の一要素に組み入れるべきとされている。 こうした考え方と、契約目的からみた正義内容への適合性という観点からの規制法理である「本質的債務論」の検討を通して、幾つかの相互補完的な基準が、契約全体への評価との関連性のもとでの規制の根拠を構成していることを明らかにする必要がある。このことを個別具体的なテーマに関する実証研究によって確認する方向で、さらに研究を継続していく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)