中国民営企業における企業金融の実証分析-企業間信用と銀行融資-
Project/Area Number |
17730185
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Economic policy
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
矢野 剛 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (90314830)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 企業間信用 / 銀行融資 / 中小企業 / 中国民営企業 / 関係への投資 / 中間的モニタリング / 短期資金 / 長期資金 / 情報生産・流通 / 人的ネットワーク |
Research Abstract |
平成18年度科学研究費補助金の交付を受けた研究において、我々は以下のような研究成果を得た。 今年度は、資金調達における企業間信用への依存度の企業間の相違の分析と企業間の与受信行為に伴う個別企業情報生産のメカニズムの分析が中心となり、銀行による企業モニタリング機能の実体解明も行われた。具体的には3度の現地調査を行い、また企業マイクロデータによる計量経済学的分析も行った。 第一の研究成果は、企業規模が従業員50〜1000人クラスの典型的な中小民営企業が量的に質的にも、企業間信用を重要な資金調達源としていることが明らかにされた。一方、大規模企業は銀行融資依存であること、従業員規模50人以下の小型企業は企業間信用において受信することも困難な傾向も確認された。この成果はワーキングペーパーとして既にまとめられ現在投稿準備中である。 第二に、企業間信用を巡る個別企業情報生産には、借り手(受信)企業による関係への投資が重要な意味を持つことが、実態調査および計量分析結果より明らかにされたことである。企業間信用を重要な資金調達源と認識する借り手側企業が自身の信用を確立・保持するための様々な投資が企業間与受信に際する企業情報生産と企業間信用の発達をもたらす重要な条件となっている。この成果はワーキングペーパーとして既にまとめられ現在投稿準備中である。 第三に、当初の予想に反し、銀行が融資決定に際して使用する企業情報は企業間信用ネットワークにおけるそれとは別の、銀行が独自に収集したものであることが明らかにされた。そして銀行は大企業を中心として融資先への中間的なモニタリングを重点に置いた融資審査を行うようになっている。これらの成果報告は現在ワーキングペーパーとして執筆中である。 最後に中国経済に関する計量分析の方法論的基礎付けの検討も行い、この成果は既に公刊論文として公表されている。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)