Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Research Abstract |
以下に述べるように,平成19年度は,平成17年度および平成18年度の研究結果を踏まえて,次の作業に取り組んだ。4月から文献レビューを実施した。そして8月より,ある小売企業についてインタビューを実施した。ヒアリング対象となった小売企業では,新しい小売フォーマットの開発に際して,革新的商品調達が実施された。それは,個店による商品調達という形態での新規取引先の開拓であった。この商品調達が導入された目的は,革新的な商品調達行動を組織的に刺激することであった。つまり,チェーン・ストア全体の取引量や意思決定スピードといった制約を理由に開拓できなかった取引先や商品を探索し,それらとの取引関係を構築することで,将来的に有望な商品調達ルートを確立することであった。 本研究は,この小売企業から積極的な調査協力を得られたことをリサーチ・チャンスととらえ,以後の実施計画を修正してヒアリング調査期間を延長し,この小売企業の革新的な商品調達をヒアリングにより調査した。本研究では,その担当者に対して,次の3点にフォーカスしたヒアリング調査を行った。(1)本部商品部での商品調達の経験が生かされたかどうか,(2)革新的な商品調達において,薪たに求められた技術や知識は何か,(3)それら新たな技術や知識は,本部商品部において習得・形成可能か。これらの3点についてヒアリング調査を行った結果,小売企業は,商品調達部門で,高い不確実性をともなう革新的商品調達に必要な能力を形成し維持させるためには,本部商品部と独立して商品調達を実行する場を作り出す必要がある,という知見を得た。 今回の研究成果は,小売企業における商品調達能力の形成において,組織的に意図した計画のもとで,革新的商品調達能力を育成する必要性を示したといえるだろう。
|