Project/Area Number |
17730288
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Accounting
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
太田 浩司 武蔵大学, 経済学部, 助教授 (70366839)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 経営者予想 / 予想誤差 / アナリスト予想 / 市場の効率性 / 予想精度 / 価値関連性 / I / B / E / S予想 / 四季報予想 |
Research Abstract |
経営者が企業の将来業績の見込みについて自ら公表する予想情報は、一般に経営者予想と呼ばれている。わが国における財務開示の最大の特徴は、わが国の証券取引所が、各事業年度の決算内容に係わる適時開示すなわち決算発表において、企業に当期の実績値とともに次期の経営者予想を公表することを要請している点である。本研究では、1979-1999年の期間に公表された経営者予想のバイアスの決定要因を調査している。単変量および多変量の分析結果は、マクロ経済的影響、業種、企業規模、上場市場、外部資金調達、財務的困窮、過去の経営者予想誤差、成長性、赤字、経営者配当予想という10個の要因が全て経営者予想のバイアスと関係しているということを示すものであった。次に、この経営者予想のシステマティックなバイアスを市場が正しく認知しているかどうかを調査している。ヘッジ・ポートフォリオ戦略の結果は、経営者予想誤差を予測することによって異常リターンが獲得可能であることを示しており、市場が経営者予想に存在するシステマティックな誤差に関する情報を、完全には株価に織り込んでいない可能性を示唆するものであった。 経営者による次期の利益予想情報の提供はわが国の財務開示システムの大きな特徴である。それにもかかわらず、データの入手が困難であるということもあって、経営者予想の特性に関する研究は現在までほとんど行われてこなかった。本研究は、わが国の経営者予想の特性を調査するほとんど最初の研究と思われる。本研究による結果は、経営者予想におけるシステマティックなバイアスが存在することを示すものであり、今後のわが国の経営者予想研究に大いに示唆を与えるものである。
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