Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
パリで住宅への権利運動を中心とした争議に参加する都市底辺労働に従事する移住労働者に対して聞き取り調査を行った。福祉国家型の社会統合機能が弱体化するなかで、貧困層の社会権行使は、当事者の当該社会での社会的地位を決定する重要な要素となる。フランスでは、労働運動など、かつて争議を担った主要な社会運動が衰退しており、労働者コミュニティも機能せず、貧困問題への対応が個人化する傾向にある。こうしたなかで1990年代以降活性化してきた社会的排除を争点とした新しい争議は、社会的排除社会といわれる現代社会における社会統合のあり方を考察する上で重要である。本調査では、争議への参加は、移民出身者の場合に出身コミュニティによる規定の度合いが大きいことが明らかになった。当事者のアイデンティティの準拠先が出身コミュニティにある場合には、フランスにおいて経験する社会的排除が、個人的責任として自己認識されない傾向にあることは、前年度までの調査で明らかになったことだが、今回の聞き取り調査では、職業や家族構成が与える影響についても聞き取りを行った。非正規滞在移民については、フランスでの争議の経験が、出身国に帰還したのちに及ぼす影響についても調査を行った。とくに争議の中心を担うマリ人について、バマコにおいて聞き取り調査を行った結果、フランスの出身コミュニティとのつながりを保ち続けているソニンケの場合は帰国後も社会統合が比較的容易であるのに対して、出身コミュニティと切り離されている者の場合、争議をへて獲得したフランスからの資源がまったく得られなくなり、マリにおいても社会的排除を経験していることが分かった。
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All Journal Article (27 results) Remarks (1 results)
現代の理論 7
Pages: 24-30
ディ・プレッセ IV
Pages: 4-11
Peoples for Human Rights : Human Trafficking and Racism : Exploring the Links between Marginalization and Exploitative Migration vol.10
Pages: 84-93
現代思想 第34巻第9号
Pages: 155-167
M-ネット 2-3月号
Pages: 4-5
部落解放6月増刊号:人権キーワード2006 567号
Pages: 144-147
寄せ場 19号
Pages: 254-256
女性白書2006(ほるぷ出版)
Pages: 72-75
よくわかる社会学(宇都宮京子編)(ミネルヴァ書房)
Pages: 140-141
信濃毎日新聞 2006年7月17日文化欄
Pages: 10-10
移住女性が切り拓くエンパワメントの道-DVを受けたフィリピン女性が語る(カラカサン・IMADR-JC編)(解放出版)
Pages: 7-13
IMADR-JC通信 no.146
Pages: 13-14
現代思想 2月増刊号
Pages: 92-99
茨城大学人文学部紀要・コミュニケーション学科論集 15号(印刷中)
120000991215
Mネット 1月号
Pages: 14-15
季刊ピープルズ・プラン 33号
Pages: 105-110
日本における人身売買に関する実態調査(JNATIP/F-GENS編)
Pages: 152-152
新・国際社会学(梶田孝道編)(名古屋大学出版会)
Pages: 179-198
女たちの21世紀 No.41
Pages: 6-11
グローバル化の中の人身売買:その撤廃に向けて(解放出版社)
Pages: 13-23
情況 5月号
Pages: 254-254
ディアスポラを越えて:アジア太平洋の平和と人権(武者小路公秀監修)(国際書院)
Pages: 168-171
Pages: 212-214
日本でできる国際協力:在日外国人と歩んだ10年(SHARE)
Pages: 107-110
Days Japan no.17
Pages: 32-32
Mネット 5月号
Pages: 3-5
Mネット 9月号
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