Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
本研究の最終年度として,全体のとりまとめと今後の課題についての研究作業を行った。それは,「社会的記憶」を社会学の観点から捉えるだめに,狭義の社会学を超えたアプローチが必要であるということ。とりわけ都市計画,文化政策,心理学,医学の研究成果をフォローしていく必要があることが明らかになった。そして,それを広義の社会学として捉え,学問的な発展を目指す必要があるとの認識に至った。 本年度における研究成果としては,一論文1件,学会発表1件を挙げることができる。論文「ある地方都市の噂」(日仏社会学会編『日仏社会学会年報』)は,日仏柱会学会のシンポジウムで報告された「ある地方都市の噂-不確かな隣人とモータリゼーションの社会学」の内容をまとめたものである。この論文は,日本の地方都市に広がる「外国人に対する噂」を取り上げ,地方都市の現状を分析したものである。噂という,ある種の実態のない社会的記憶が,モータリゼーションが進む地方都市で広がる現状を捉えるために,今後社会学がなすべき作業はどのようなものか,本研究からより大きな課題が見えてきたと思われる。 本研究は,「1・17神戸を中心に」という課題のサブタイトルにあるように,1995年1月17日に起きた阪神淡路大震災の社会的記憶から出発した。それは,社会的記憶研究があまりに「戦争の記憶」研究中心となっているため(「戦争の記憶」班究それ自体の重要きは言うまでもないが),記憶の構築性や記憶の政治的対抗関係に研究の主眼が置かれている現状を乗り越えていくことを目的としていた。その点で言えば,もともと学際的な指向を持っている社会学の範疇のなかでも,記憶研究はその学際性をより意識せざるを得ないという方向性を打ち出せたことは,大きな意義があったようた思れれる。
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