Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本年度は、昨年度までに得られた手話通訳のわかりやすさを構成する要因に加え、高等教育機関において通訳を実施する際に必要とされるポイントについて明らかにし、この養成方法を検討した(研究3)。 ここでは、N大学において開講されている「障害児教育論」の授業を取り上げ、3名の手話通訳者A,B,Cが日本語から手話への同時通訳を行っている場面をデータとして、この通訳手法について分析をおこなった。この結果、通訳経験の短い手話通訳者A,Bは、結論の明示部分で表現に曖昧さが見られたり、解説のうち特に主題につながる核となる部分で訳出が乱れ、結果として講義の本質となる論理展開が伝わっていない様子が見て取れた。一方、経験の長い手話通訳者Cの場合、単に情報を漏らさず伝えているのみでなく、話の展開に入った部分で日本手話の要素を多く取り入れた、状況をよく伝える表現を用るなど、論理展開をよりよく伝える表現を用いていた。ここから、高等教育機関における授業など、論理展開の重視される場面の通訳においては、ただまんべんなく情報を伝えるのではなく、論理展開を見極め、これを保持することの重要性と、話されている命題および論理展開における文の機能に応じて使用手話を選択していくことの必要性が伺えた。 さらに、実際に手話通訳の技術向上を目指す通訳者2名を対象に、短期間の養成プログラムを実施することで、本研究で得られた通訳技術のポイントを習得する方法について実践的な検討を行った(研究4)。特に基本的な手話通訳技術において求められるNMSや類辞・ロールシフトの使用については、本研究で開発した動画フィードバック手話通訳モデル撮影システムが大変効果的で、これとサンプル映像の提示を組み合わせて指導を行うことで、一定の効果が得られることが明らかになった。しかし、本研究の主要な課題となる高度専門領域に対応した通訳技術の養成については、まだ十分な解決ができたわけではなく、今後より詳細な分析と実践が求められる。
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