Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
本年度の研究計画では,計算時のfMRIデータの解析および心理学実験の実施を予定していた.しかし,筆者が所属している日本数学協会が学会として重点的に取り組む研究テーマに暗算を選んだことと,暗算教育に関する戦前の希少本を偶然入手したことから,研究の方向を若干変更し,学校での暗算教育に研究の焦点を当てることにした. 中島安治郎『診断学的暗算の実践体系』は,昭和11年にモナスから出版された.戦前の尋常科6学年での暗算教育について,非常に綿密な研究と実践が記されている. Webcat Plus で大学図書館でのこの書籍の所蔵状況を調べてみたところ,わずか6大学で所蔵されているにすぎなかった.この著作をこのまま埋もれさせておくのは非常に残念なので,中島による暗算教育体系と,現在の暗算教育への利用を研究することにした. 最初に,この著作全体を概観し,中島による暗算の教育と研究がどのようなものであったかを把握した.標準テストによる教育診断や,反応時間などを指標とした心理学実験に基づく暗算課題の難易評価といった,さまざまな特徴が明らかになった.この研究成果を日本数学協会の年次大会で報告した.この年次大会では中国での暗算教育の報告が2件なされ,今後中島の暗算教育との比較検討を行うことになった. この著作を,筆者が作成している「電子アーカイブ」に収録することにした.ページをスキャンした画像ファイルでなく,テキスト形式で公開を行っている.現在,第1章のテキスト化が完了している.数式を含んだ著作であるため,ウェブページで数式を表示するためにMathMLを採用した.日本ではMathMLの利用法はまだあまり知られていないため,これを解説した論文を日本数学協会論文集に発表した.あわせて,ウェブページ作成のためのテンプレー卜を用意し,ウェブで公開した.
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