Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本研究では,青年期の社会的スキルの見直しに関して,「社会的スキル見直しのきっかけの経験→社会的スキル獲得動機の向上→社会的スキル獲得方略の実行→新たな社会的スキル獲得」というプロセスを想定し検討を行った.その結果,社会的スキル獲得動機と社会的スキル獲得との関連がみられ,社会的スキル獲得動機が高いことによる社会的スキル見直しの促進が確認された.このことにより,社会的スキル獲得への動機づけを高める働きかけを行なうことで,青年の自発的な社会的スキルの見直しが行われる可能性が示された. 社会的スキル獲得方略と,社会的スキル獲得の間にも関連がみいだされ,認知面に着目し,かつ個別性の高い社会的スキル獲得方略を行なうことが,社会的スキル見直しの成功につながることが示された.このことより,社会的スキルの認知的側面に着目し,社会的スキルの生起過程を詳細に検討する社会的情報処理理論の知見が,社会的スキルの見直しに有効に働く可能性が示唆された. また,社会的スキルの見直しが行われやすい具体的な状況として,大学の研修旅行を取り上げ,クラス内の認知度を社会的スキルの関連を検討した.旅行後の社会的スキルの自己評定と,クラスのメンバーからの認知度に関連がみられたが,旅行前の社会的スキルの自己評定と他者評定には関係がみられないことが確認された.これらのことより,研修旅行終了後の社会的スキルの自己評価が,他者評価に近づいたと考えられ,研修旅行などの通常の大学生活以外の体験がきっかけとなり,社会的スキルの見直しが促進される可能性が示唆された. 以上より,本研究により社会的スキルの見直しに関するモデルの妥当性の一応の確認がなされた.しかし,社会的スキル見直しプロセスの中での初期と後期の社会的スキル獲得方略の変化だどが確認されたため,今後はその変化のプロセスを含めた検討が課題として挙げられる.
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