Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2007: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
性の認知は、ヒトを含めた動物の繁殖成功において重要である。ヒトに系統的に近縁なサルは、優れた視覚を持っており,体サイズ・顔・性器などの形態的特徴において,種によって様々な程度の性的二型を示す。このことから,サルがヒト同様に視覚的手がかりを元に性弁別をおこない,他個体の形態的特徴にもとついた配偶者の選択をおこなっている可能性が示唆される。 前年度までに,ニホンザルが視覚的に同種他個体の性弁別が可能であることが示された。本年度は,そのような弁別が単に視覚的な類似性にもとつく分類なのか,何らかの"オスらしさ","メスらしさ"といった知覚に基づくものなのか検討をおこなった。まず,3頭のニホンザルを対象として,オペラント条件付けを用いて他個体の映像の性弁別課題を訓練した。課題においては,モニタ中央にサルの写真が呈示され,その刺激個体がオスの場合は左,メスの場合には右のキーを押した場合に正解であった。最初にサルの全身写真を用いて,性カテゴリにもとついた弁別がなされることを確認した。続いて,訓練時には用いなかった種類の映像を用いて般化テストをおこなった。顔のみの映像,およびサルの後ろから臀部を撮影した映像を用いてテストをおこなったところ,これらの刺激に対しても新たな訓練なしで性カテゴリにもとついた弁別が可能であった。これらの結果から,サルは他個体の映像について視覚的類似性にのみ基づいて弁別をおこなっていたのではなく,刺激の呈示部位等を越えた性の特徴を知覚していたと考えられた。これらの成果については学会で発表をおこない,論文は投稿準備中である。
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