Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
本研究では,意識的知覚を支える主要認知機能の一つである心的構えとその制御方略を調べた。意識的知覚が損なわれる例として知られる注意の瞬き(attentional blink)現象は,これまでの研究では,時間的に先行して呈示される第1標的に注意資源が占有されるため,その後に呈示される第1標的の知覚が損なわれると考えられてきた。本研究では,3つの標的を連続して呈示し,第3標的の知覚成績が第2標的よりも高いことを示し,従来の説明では不十分であることを示した。加えて,こうした意識的知覚の欠如としての見落としは常に起こるわけではないことを示した。これまで,短い時間で2つの標的を検出するとき,2つめの標的は見落とされやすいことがわかっているが,観察者が知覚的構えを維持したまま2つの標的が時間的に連続して呈示される場合は見落としが激減する(見落とし回避)。研究発表11.3は,この現象を知覚的構えの指標として利用し,同時に2箇所の位置に注意の構えを向けることができることを示した。また,標的カテゴリが複数でも見落とし回避は同時に2箇所で起こりうることを示した。この結果は,注意分割を調べる手続きとして注意の瞬き減少が利用できることを示した点で新しい視点を提供したといえる。研究発表11.1では,標的の視覚探索事態において,注意を向ける位置についての意識的な構えがなくても,視空間的文脈を反復して経験することによって,探索が速くなる効果について調べた。従来の研究では視覚的な文脈の学習が起こることが知られていたが,本研究では聴覚刺激と標的位置の対連合を無意識的に学習できることを明らかにした。研究発表11.2では,刺激の呈示順序によって心的構えを操作し,心的構えが幾何学的錯視のひとつであるDelboeuf錯視の大きさに影響することを明らかにした。(739字)
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