Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
自閉症に共通して認められる社会的相互交渉の困難のメカニズムの本質を客観的に評価することを目指して,動作の認知と模倣に関与する脳機能の探索という観点から研究を行った。具体的には、高機能自閉症児、者を参加者として,(1)表情弁別、模倣課題,(2)視線認知課題などのパフォーマンス課題と,(3)新しい脳機能測定法であるNIRS(近赤外線分光法)を用いた(3)動作のイメージに関与する脳機能の評価を実施した。以下のことが明らかとなった:(1)高機能自閉症児・者は,定型児と同程度に基本6感情の表情弁別が可能であった,(2)高機能自閉症児・者は定型児と同様に視線を手がかりにして他者が何をほしがっているのかを推測することができたが,視線と矢印を同時に提示すると,高機能自閉症児は定型児よりも矢印を手がかりにする傾向が有意に高かった,(3)NIRSにより動作のイメージ中の脳血行動態を測定すると,ほとんどの定型児・者で背外側前頭前野領域,及び運動前野を含む下前頭領域で課題に同期した明瞭な反応が認められた。ただし反応パタンには個人差があり,成人では22中17名ではオキシ・ヘモグロビン濃度の増加,デオキシ・ヘモグロビン濃度の減少が認められたが,残りの5名は,それとは反対のパタンが示された,(4)高機能自閉症児・者では,3名で有効なデータが得られ,いずれも背外側前頭前野領域,及び運動前野を含む下前頭領域でオキシ・ヘモグロビン濃度の減少,デオキシ・ヘモグロビン濃度の増加が認められた。これは一部の定型児・者のNIRSの反応パタンと類似していた。
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