Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本研究の目的は、活動中心主義の学習論を現代の社会的構成主義(social constructivism)の観点から理論的に強化し(理論的研究)、さらに、活動中心主義の学習論の歴史的ルーツである進歩主義教育思想を、この社会的構成主義の人工的媒介の見地から再構成すること(思想史的研究)にある。前者の課題に取り組むために、今年度は、エロスの概念に着目し、児童中心主義とは異なる主体性のあり方を探った。近年のアメリカ教育哲学の論文・文献を収集し、分析することで、教師・子どもの感情的関わり、特にエロスの概念の再評価が見られることを明らかにし、それを単に感情重視の観点からではなく、人工的媒介の理論と接合したことに意義が認められる。その成果は、論文「エロスの教育哲学としてのデューイの道具主義-軟質と硬質の哲学の狭間で-」(「東京学芸大学紀要 総合教育科学系」第59集、2008年 17-25頁)として著された。後者の課題には、まず、1910年代から20年代にかけて教育界を席捲したIQ論争を再検討することで取り組んだ。既に昨年度ほぼ完成していた論文「ジョン・デューイによるIQ論争の再文脈化の試み-優生学的思考を可能とする個性概念との対峙-」がこの成果として拳げられる。今年度中に、藤川信夫編著「教育学における優生思想の展開」(勉誠出版、2008年347-370頁)に掲載され、刊行された。最後に、学会参加等を通した資料収集に基づき、進歩主義教育の哲学、即ち、プラグマティズムを、近代教育思想批判と解釈する観点から、その教員養成への貢献をも独自に明らかにしき。それを示すのが、「プラグマティズム、教員養成、そして近代教育思想批判」(教育哲学会「教育哲学研究」第96号、2007年171-177頁)である。
All 2008 2007 2006 2005
All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Book (1 results)
東京学芸大学紀要 総合教育科学系 59
Pages: 17-25
110006649527
教育哲学研究 96
Pages: 171-177
130003660156
近代教育フォーラム 15
Pages: 37-47
近代教育フォーラム 14
Pages: 81-91