形式的KZ方程式の接続係数としての多重ゼータ値の関係式の研究
Project/Area Number |
17740026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Algebra
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
奥田 順一 早稲田大, 理工学術院, 助手 (80386599)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 多重ゼータ値 / KZ方程式 / 多重対数函数 / q-解析 |
Research Abstract |
多重ゼータ値は有理数体の絶対ガロワ群の表示や結び目理論にも現れ数年来多くの関心を集め活発に研究されている。多重ゼータ値の関係式が上記の数学的対象の関係と関連することから、その研究は大変に興味深いものである。多重ゼータ値のもう一つの側面として、KZ方程式と呼ばれる2次元曲面上の場の量子論に現れる微分方程式を普遍化したものの接続行列の行列成分に現れることが挙げられる。これまで、この解析的な手法を用いた多重ゼータ値及びその類似の関係式の研究を継続して行っている。また今年度は、組み合わせ論的研究を合わせて行った。 解析的な研究に関しては、筑波大学の竹山美宏氏との共同研究により、超幾何函数の原点近傍と1の近傍で定義される解の接続係数をq-類似の場合に拡張はできているが、現在、この関係の原点と無限遠点の場合に取り組んでいる。 この場合接続係数にテータ函数が現れることから原点と1の近傍の場合に比べ困難さが増している。 そこで、超幾何函数の種となる多重対数函数の場合に先ず接続関係を明らかにすべく、目下研究が進められている。 組み合わせ論的な研究に関しては、近畿大学の大野泰生氏・井原健太郎氏及び梶川純氏との共同研究により、既存の関係式の抽象化及び他の類似への応用を行った。 共同研究に於いて、Ihara-Kaneko-Zagierによるdrcle productを用いた構造の抽象的表現を応用し、既存の関係式が一般的なシチュエーションに於いても成立することを示した。 更に、多重ゼータ値と等号付多重ゼータ値の積構造を合わせて抽象化し実現写像と可換な同型写像を構成し、多重ゼータ値の関係式を等号付多重ゼータ値へと引き戻すことに成功した。この応用として、M. E. Hoffman氏による予想の等号付版の一部を得た。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)