Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
本度は,「空間2次元における減衰項を持つ波動場の偏微分方程式に対する開発手法の拡張」を中心に研究を実施し,一定の成果を挙げることが出来た. 昨年度までの研究成果において開発された数値再構成法は,減衰項のない1・2次元弾性波動場に対するものであった、その手法を,医学上の問題である「粘弾性波動場の欠陥同定逆問題」へと拡張した.この問題の数学モデルは,内部観測データが与えられた減衰項を持つ波動方程式の係数同定逆問題として表される.本研究では,その問題へ昨年度開発した「軟化子作用素を用いた随伴数値解法」を適用し,再構成アルゴリズムを導出した.また導出したアルゴリズムの有効性を検討するために,数値計算プログラムを作成し、本研究費で購入済みのワークステーションで数値実験を実施した.現在までに数値実験において,開発手法により欠陥部分の位置を同定できることが確認できた.しかし,定量的な同定,すなわち媒質の種類まで同定するには至らなかった.この点については,現在も改良・検討を継続して行っている.以上の本研究の成果をまとめると,実用問題を考慮した波動場における欠陥同定問題の再構成アルゴリズムの基礎は開発でき,かつ実用に耐えうるものにするための今後の課題と改良の方向性を明確にすることができたことである. 以上の成果については,今年度日本数学会年会において発表した.
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