Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
(1)以前に証明した漸近的Teichmuller空間の内点と境界点の特徴付けを用いて,具体的な領域(擬弧の補集合)に関して漸近的Teichmuller空間のBers閉包に含まれるか否かを判定する必要十分条件を得た.Teichmuller空間の閉包に関するBersの問題は,漸近的Teichmuller空間に対して自然に設定されるが,今回の研究を用いて,その問題が否定的であることの新しい証明を得た.またこれらの研究から普遍タイヒミュラー空間での類似が多数成立していることがわかり,他の関連する様々な問題が定式化できるようになったことは有意義であった.また,これらの研究は平面の集合の変形に関する(漸近的)剛性の研究である.一方で,有界幾何をもつ曲面群と同型なクライン群の極限集合は沢山の擬弧を含む.これらより,3次元双曲多様体の様々な剛性を擬弧の補集合の剛性から研究するという,新しい観点での研究が期待出来る. (2)有限次元Teichmuller空間のGardiner-Masur閉包について研究した.具体的な研究成果は以下の通りである.(i)TeiChmuller空間上のTeichmullerモジュラー群の作用が自然に拡張されること,(ii)Teichmuller測地線では到達できない点が存在すること,である.これらはGardiner-Masur閉包はTeichmuller閉包とは本質的に異なることを示している.また,一般にGardiner-Masur境界の点は,その定義より曲面上の単純閉曲線の集合上の非負値関数である.本研究では境界点に対応する関数が速度付き測地線層上の関数に拡張されることを示した.このことから,Thurston境界と比較しうるような幾何学的特徴付けが存在についての問題が定式化できたことは非常に有意義であった.
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