Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本年度は,複素ギンツブルク・ランダウ方程式(以下(CGL)と略記する)に対して,力学系的な研究の成果を論文としてまとめ,爆発解の研究を進める計画であった.前者については,(CGL)に対する大域的アトラクターの存在だけでなく,その有限次元性も解明し,その証明を劣微分作用素によって抽象的に定式化することに成功した.一方で,劣微分作用素を用いた考察がきっかけとなり,力学系的な研究の基礎となる(CGL)の解の存在に関する新たな結果を導くことに成功した.後者の爆発解の研究については,(CGL)を特殊化した方程式の爆発解の存在はいえたものの,一般の場合は難しく,論文としてまとめるところまでは至らなかった.とはいえ,前者の研究を通じて得られた解の存在に関する新たな結果は,意義のあるものと考えている.その結果とは,(CGL)の大域的強解が一意的に存在することを結論するのに,初期値をp乗可積分な関数にとることができるというものであり,従来の2乗可積分な関数に限定していた結果の一般化を与えている.この結果により,初期値をソボレフ空間から選ぶことも(埋め込み定理を使えば)容易に可能となり,Ginibre-Velo(1997)による先行結果の簡潔な別証明までも得られた.その成果については,千葉大学で開催された国際会議と近畿大学で開催された日本数学会年会において発表し,論文としてもまとめ投稿済みである.最終年度に得られた一般性のある結果は,(CGL)とその関連方程式に対する今後の研究に生かされることが十分に期待できることから,大きな成果であるといえる.
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