複素多変数バーディ空間の備える多項式環係数加群構造についての作用素論的研究
Project/Area Number |
17740086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Basic analysis
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Research Institution | Shimane University (2007) Kanagawa University (2005-2006) |
Principal Investigator |
瀬戸 道生 Shimane University, 総合理工学部, 講師 (30398953)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 関数解析学 / 複素解析学 / ハーデイ空間論 / 関数論 / 多変数関数論 / 多変数作用素論 / ハーディ空間論 |
Research Abstract |
報告者は,多重円板上のバーディ空間H^2(D^2)のヒルベルト加群(加群の作用は通常の多項式掛算で定める)としての構造を調べている.この研究課題は,複素解析と関連するだけでなく,抽象的なヒルベルト空間上の作用素の構造理論とも関連する話題である.しかし,H^2(D^2)の閉部分加群の構造は非常に複雑になることが知られており,従来の方法ではその解析は非常に困難であった.このような状況の中、昨年度まで,報告者は計算可能な具体例の構成に成功した.今年度は,その具体例の詳細な研究に努めた.具体的な研究実績は以下の二項目にまとめられる: 1.inner functionの無限列から構成されるH^2(D^2)の閉部分加群を調べた.特別な場合であるが,これまで具体的に計算できなかった量を明示した.2.C^2値Hardy空間上には自然に二つの作用素が考えられる.一つは通常の多項式掛算より定まるToep1itz作用素であり,もう一つは,truncated shift作用素である.この二つの可換な作用素のペアについて研究した. 特に.この二つの作用素の研究には,inner functionのペアが現れるが,そのスペクトルについて研究した. 以上の結果のさらなる進展として,H^2(D^2)の無限生成閉部分加群の例を構成した.これはRudinにより与えられた結果の別証明をも同時に与えたことになる(2007年度日本数学会,函数解析分科会にて発表). この最後に述べた結果は,これからの研究の基礎となる結果であると確信している。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)