Project/Area Number |
17740096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Global analysis
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
植田 好道 Kyushu University, 大学院・数理学研究院, 准教授 (00314724)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 自由確率論 / 自由エントルピー / 相互情報量 / 自由エントロピー次元 / ハーディー空間 / 非可換 / 前共役 / エントロピー / フォン・ノイマン環 / 融合積 / HNN拡大 / 次元 / 作用素環 / C*-環 / 自由エントロピー |
Research Abstract |
昨年度プレプリントアーカイブに公表した自由確率論における相互情報量の研究でやり残した問題を解決すべく努力した.具体的には相互情報量の自由確率論版に基づいて定義したエントロピー次元と元々の自由エントロピーに基づいて定義されたエントロピー次元の間に期待される恒等式を証明することに力を注いだ.紆余曲折はしたが最終的に期待通りの恒等式を証明することに成功し,紆余曲折した過程で得た発見も合わせて自由エントロピー次元に対する下半連続性を弱い形ながら証明することに成功した.この下半連続性の問題は有名な自由群因子環の同型問題に密接に関わっており多くの専門家に注目されていた問題ではあるが,以前に知られた肯定的な結果は1変数(=可換の場合)の場合だけであり,我々の得た結果は弱い形でかつ上述の同型問題を解くには不十分なものではあるが本質的に非可換な初めての肯定的結果である.これらの成果を既にプレプリントアーカイブにおいて発表済みでかつ投稿中であった論文に新たに加え大幅に書き直すことができた.書き直して再投稿の後,すぐに論文はアクセプトされた. これまでとは本質的に違う方向の研究として非可換ハーディー空間の研究を行った.ハーディー空間に対する興味は元々本研究課題の柱である自由確率論の研究から来ているが,問題としては完全に独立である.具体的な研究成果としては円盤上で有界正則関数のなすハナッハ環が一意的な前共役をもつという安藤の定理の非可換版を証明した.これは特別な場合として安藤の定理はもちろん,安藤の定理の一般化として知られるいくつかの抽象ハーディー空間に対する結果をすべて含む.また,バナッハ空間論の興味からは関数空間に対するグロタンディエクの結果,フォンノイマン環に対するディクシミェ,境の結果,そして安藤の結果に続く新たな一意的な前共役をもつクラスの提出という観点から興味が持たれることと思う.この結果は極最近プレプリントアーカイブに発表することで公表済みではあるがまだ投稿はしていない.
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