Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
超対称性を入れた模型で二番目に軽い超対称粒子(NLSP)となりうるスタウが、一番軽い超対称粒子(LSP)と非常に近い質量を持つ場合に元素合成におけるリチウム問題が解決しうることを具体的に示した。リチウム問題というのは、通常の元素合成の理論的計算に比べて実際に観測されているリチウムの量が少ない、というもので したがってリチウムを壊す機構が初期宇宙に必要となることを示唆している、というものである。このため機構が質量が縮退することにより長寿命化したスタウの存在である。暗黒物質の残存量を説明するためにはcoannihilationといわれる機構が働く必要があるが、それは自動的にこのような縮退を要求する。そしてその縮退が強い極限を考えると、質量が縮退することによりスタウが元素合成の時期まで生き残るほど長寿命になる。そのようなスタウはリチウム7やベリリウム7と束縛状態を作るが、スタウがそれらの原子核と非常に近い位置にあるため実質的にパイ中間子を出す崩壊が可能になることにより寿命が十分短くなる一方、そのパイオンを受けるそれらの原子核が違う原子核にすぐに崩壊すること、によりほどよくリチウムが壊されると言うことを定量的に示した。他にも、余剰次元を持つ模型に右巻き型のニュートリノを導入した模型を考え、この模型における暗黒物質の残存量を定量的に計算した。通常の余剰次元を持つ模型と違い、右巻き型のニュートリノが導入されたことで、暗黒物質の組成が変わり、それにより、余剰次元のスケールも通常に比べて低く見積もられることが分かった。この変更はLHC実験を考える上で重要であることも指摘した。
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