B、C及びNのK吸収端近傍X線吸収発光分光による不純物添加ダイヤモンドの電子状態
Project/Area Number |
17740189
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Condensed matter physics I
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
中村 仁 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 助教 (50313416)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | ダイヤモンド / ボロン / 超伝導 / 軟X線吸収 / 軟X線発光 / 電子状態 / 金属・絶縁体転移 / 軟X線吸収発光 / 部分電子状態 |
Research Abstract |
本年度は、多結晶ボロンドープダイヤモンド(BDD)試料を用いて超伝導転移温度(Tc)の詳細なボロン濃度(nB)依存性を観測し、Tcの低い試料のXASスペクトルで観測されるギャップ内準位の起源を探ると共に、単結晶BDDで観測されている超伝導転移温度の下地基板方位(成長方向)依存性の原因を解明する。 多結晶試料のB-K XASスペクトルを詳細に観測した結果、ギャップ内準位は浅い準位と深い準位があることが分かった。SIMSとホール効果の比較からは、キャリヤの補償の起源を全て成膜時の水素混入によるとすることは困難であった。XASスペクトルとバンド計算の結果との比較から、Tcの低い試料で観測される深いギャップ内準位の主たる起源は、1)格子間位置に入ったBと2)置換位置のBB結合状態である可能性が高いことが示された。成膜時に取り込まれる水素とのBH結合状態も共存しているがその割合は少ないと考えられる。 また、BDDとノンドープダイヤモンド基板との僅かな格子ミスマッチから、〈111〉成長と〈100〉成長で単結晶BDDの格子歪みが異なることが報告されている。単結晶BDDのB-K XASスペクトルは、入射角(入射X線の電場ベクトルに垂直)に対して、〈100〉試料では異方性を示さないのに対し、〈111〉試料では顕著な異方性を示した。この結果は、Bにより導入されたホールを補償するBB対(結合状態)の形成が、〈100〉成長方向ではランダムであるが、〈111〉方向では異方的で抑制されていると考えることが出来る。XASスペクトルのバンド計算などを用いた定量的な議論はこれからの課題であるが、立方晶的な成長よりも〈100〉成長で観測される正方晶的な歪がキャリヤの補償を抑制し、Tcの上昇に繋がる可能性があることが示された。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)