Project/Area Number |
17740198
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Condensed matter physics I
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小嗣 真人 広島大学, 放射光科学研究センター, 研究員 (60397990)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | 光電子顕微鏡 / 鉄隕石 / Tetrataenite / 放射光 / 光電子顕微鏡(PEEM) / 磁性多層膜 |
Research Abstract |
鉄隕石はウィドマンステッテン構造と呼ばれる特徴的な金属組織を持ち、またその磁気特性も人工のFeNiとは大きく異なる。我々は放射光と光電子顕微鏡(PEEM)を用いて、鉄隕石の微細組織と磁気特性の相関をナノスケールの分解能で直接解析を行った。 1)硬X線とPEEMを用いて、ピクセル単位のXAFS測定を行ったところ、α-γ界面において、Niの濃度が急激に上昇することが観測された。また濃度の上昇に伴い、結晶構造が体心立方(bcc)から面心立方(fcc)構造へと層転移することが観測された。そして、界面近傍にはTetrataeniteと呼ばれるL10型FeNiが薄膜状に偏析していることが観測された。 2)円偏光軟X線とPEEMを用いて、界面近傍の磁区構造測定を行ったところ、容易磁化磁区の回転と、界面で正対する特徴的な磁区構造が観測された。これは人工のFeNiから大きくかけ離れた磁区構造であった。考察の結果、鉄隕石の形成過程とTetrataenite相の磁気特性に強く関連していることが示唆された。 3)Tetrataeniteの磁気特性をSQUIDで解析したところ、2.5kOeもの高い保持力が観測された。これは人工のFeNiと比べて10000倍以上の非常に高い値であった。その起源は未だ明らかになっていないが、Tetrataeniteの超構造に起因しているものと予測される。今後、光電子分光法や磁気円二色性実験を通じて、この新奇な磁性の解明が待たれる。 本課題の成果の一部はフランスで開催された「European Conference of Surface Science 24(ECOSS24)」にて発表され、欧州の専門家と有意義な議論を交わす事ができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)