銅酸化物高温超伝導体におけるナノスケール相分離のバルクプローブによる検証
Project/Area Number |
17740210
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Condensed matter physics II
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
足立 匡 東北大, 工学(系)研究科(研究院), 助手 (40333843)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
|
Keywords | 銅酸化物高温超伝導体 / La_<2-x>Sr_xCu_<1-y>Zr_yO_4 / ナノスケール相分離 / ストライプ秩序 / 傾斜Sr組成単結晶 / 磁化率 / ミュオンスピン緩和 |
Research Abstract |
・La_<2-x>Sr_xCuO_4におけるナノスケール相分離のバルクプローブによる検証 高温超伝導体における超伝導の不均質性を検証するために、La_<2-x>Sr_xCuO_4の高品質傾斜Sr組成単結晶を育成し、磁場中冷却下での磁化率の測定を行った。その結果、オーバードープ領域(0.18≦x≦0.28)において、Sr濃度の増加に伴う反磁性磁化率の減少を観測した。これは、超伝導体積分率の減少を意味することから、オーバードープ領域の試料中で超伝導領域と非超伝導領域に相分離している可能性が極めて高いと結論した。一方、アンダードープ領域(0.05≦x≦0.09)において磁化率を測定した結果、Sr濃度の増加に伴う反磁性磁化率の増大を観測した。すなわち、アンダードープ領域においても、試料中で超伝導領域と非超伝導領域に相分離している可能性が高いと結論した。 ・La_<2-x>Sr_xCuO_4のオーバードープ領域におけるCuスピンゆらぎと超伝導の相関のミュオンスピン緩和による研究 Cuスピンのゆらぎ(いわゆる電荷とスピンの動的ストライプ相関)と高温超伝導の関連を調べるために、La_<2-x>Sr_xCu_<1-y>Zr_yO_4のオーバードープ領域(0.18≦x≦0.30、y=0.03)においてミュオンスピン緩和(μSR)測定を行った。その結果、超伝導が出現する幅広いホール濃度領域でCuスピンのゆらぎのスローイングダウンを観測した。これは、動的ストライプ相関が高温超伝導が出現するホール濃度領域で存在し、Znによってピン止めされることでスローイングダウンが観測されたと解釈できる。このことから、動的ストライプ相関が高温超伝導の発現に効いている可能性が高いと結論した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(15 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] μSR and thermal conductivity studies on inhomogeneity of the impurity- and field-induced magnetism and superconductivity in high-T_c cuprates2005
Author(s)
Y.Koike, T.Adachi, N.Oki, Risdiana, M.Yamazaki, T.Kawamata, T.Noji, K.Kudo, N.Kobayashi, I.Watanabe, K.Nagamine
-
Journal Title
Physica C 426-431
Pages: 189-195
Related Report
-
-
-
-