軸流をともなう秩序渦の突発的な崩壊過程に関する研究
Project/Area Number |
17740250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Mathematical physics/Fundamental condensed matter physics
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
高橋 直也 電気通信大学, 大学院電気通信学研究科, 助手 (40313423)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 直接数値シミュレーション / 非圧縮性流体 / 渦構造 / 渦崩壊 / 流体力学 / 直接数値計算 / WKB法 |
Research Abstract |
本研究では、秩序渦構造の崩壊過程の解明を目的とする。 大規模な長さスケールを持つ構造(秩序渦構造)の崩壊現象の解明は、自然界や工学問題に現れる乱流化現象の重要な一因と考えられる。自然界の代表的な秩序渦として、旋風、竜巻、台風などが代表的な例と言える。これらに共通の特徴は、大気中に現れる大規模な渦構造で、様々な被害を我々の生活に及ぼす点である。また工学的にも同様の特徴を持つ渦構造が存在する。代表的な例は航空機の翼端から発生する後曳き渦が上げられる。この渦は滑走路に溜まり、航空機の安全な離着陸を阻害するため、空港の離発着間隔の短縮の障害となっている。このように、秩序渦は我々の生活のいろいろな場面に様々な影響を及ぼすため、秩序渦構造の崩壊を制御することが不可欠である。このためには秩序渦の崩壊過程を3次元的に促え、その崩壊メカニズムを解明することが必要である。 そこで本研究では、q-vortexの渦構造の崩壊過程を、理論解析と直接数理計算によって明らかにすることを目的とした。特に、予備実験において示唆された(1)秩序渦構造の大変形に伴う線型安定理論の前提条件の破綻と(2)突発的な崩壊過程の発生による数値的不安定性の抑制、の2点を改善し、両者の関係を理論的・数値的に明らかにすることを目的とした。 本年度では、q-vortexのうち、臨海安定な場合について解析を行なった。この場合での軸流の誘導する線形不安定性の影響は小さいことが知られている。予備実験では、不安定な秩序渦の場合と異なり、秩序渦自身が徐々に崩壊していく特徴的な過程が促えられた。この結果を、16年度までに解析した「Lamb-Oseen渦の場合」、17年度で解析した「線型不安定な場合」について比較を行ない、軸流の景況について解析を行ない、類似点と相違点に着目した。 類似点は、秩序渦の周囲の微細渦構造の軸対称化、および秩序渦内部の渦波の発生や攪乱発生と、それぞれに対応する統計的性質であった。 一方で相違点も観察された。特に、秩序渦の表面付近に発生する微細な渦構造が観察された。この構造はトルネードと類似した構造であった。この構造の発生は、q-vortexの持つ軸流の影響を受けたためと考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)