Project/Area Number |
17740253
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Mathematical physics/Fundamental condensed matter physics
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森成 隆夫 Kyoto University, 基礎物理学研究所, 助教 (70314284)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / 半スカーミオン / 光電子分光 / ゲージ場 / 強結合効果 / 高温超伝導 / 超伝導機構 / 非形シグマ模型 |
Research Abstract |
当該年度の主な成果は、半スカーミオン励起描像に基づきフェルミ面がアーク状になることを示したこと、およびひとつのホールがドープされた系における準粒子励起スペクトルの幅が非常に広くなることを示したことである。半スカーミオン励起は、反強磁性ハイゼンベルクスピン系における一種のソリトン励起である。半スカーミオンの運動エネルギー項に波動関数の重なりに起因するホッピング項を含めて、一体のグリーン関数を求めフェルミ面の形状を議論した。ホッピング項がない場合には、フェルミ面は(±π/2,±π/2)を中心とするポケット状になるが、ホッピング項の寄与を含めることでコヒーレンス因子の効果が生じる。このため、フェルミ面は角度分解光電子分光実験で観測されているようなアーク状になることがわかった。半スカーミオン励起は、ドープ量が非常に少ない場合の系の性質に由来したものであるが、フェルミ面がアーク状になることが示せたことは、高温超伝導が発現しているドープ領域でも半スカーミオン励起描像が適用できることを示唆する。また、母物質における準粒子励起スペクトルは、実験から非常に幅の広い形状になることが知られていた。これまでのセルフコンシステントボルン近似を用いた解析の範囲内では理解できない性質であった。このことについて半スカーミオン励起とスピン系のゆらぎとの相互作用をゲージ場を用いて定式化し、解析をおこなった。ゲージ場との相互作用の強結合効果によって、準粒子励起スペクトルの幅がスピン系における超交換相互作用の数倍程度に広がることがわかった。また、形状がローレンツ型ではなくガウシアン型であることも実験と一致する。半スカーミオン描像を支持する結果といえる。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)