一般の送受信装置による量子暗号の無条件安全性の研究
Project/Area Number |
17740265
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
原子・分子・量子エレクトロニクス・プラズマ
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小芦 雅斗 Osaka University, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (90322099)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 量子鍵配送 / 無条件安全性 / 相補性 / LOCC測定 / エンタングルメント / デコイ方式 / パラメトリック光子対 / 不確定性関係 / BB84方式 / SARG04方式 |
Research Abstract |
前年度までに、相補性を利用して量子暗号の無条件安全性を証明する手法を提案し、さらにその手法を用いて、しきい値型光子検出器などの現実的な装置を用いた量子鍵配送の安全性の証明を行ったが、今年度は、この手法の原理的な限界について調べた。その結果、この手法における考え方は、量子相関が秘匿通信を可能にするメカニズムを、定量的に正確に捉えていることがわかった。すなわち、秘匿通信が可能な場合には、原理的にはこの手法を用いて必ず証明が行えることになり、安全性証明の手法としては、原理的な限界がないと結論できる。 離れた場所にある2つの系に対して、古典通信のみで行える測定(LOCC測定)は、当然エンタングルメントを生成する能力を持たないが、逆は成立しない。エンタングルメントを生成する能力を持たないのに、古典通信では実現できない測定が存在する。このような例は、3準位系で知られていたが、今回は、最も単純な2準位系でも、同じような例が存在することを示した。 前年度までに、補助光子を用いて、光ファイバーの屈折率ゆらぎにともなう雑音を解消する方法の提案と、原理実証実験を行ってきたが、今年度は、この手法を用いて、500mの偏光保持光ファイバーで、波長オーダーの光路長調整を全くせずに、エンタングルした光子対を配送する実験を行い、理想的な状態に対して忠実度0.87を持つ状態を得ることができた。
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Report
(3 results)
Research Products
(15 results)