極低温下の原子気体における空間的非一様な超流動相の理論的研究-微視的立場から-
Project/Area Number |
17740266
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
原子・分子・量子エレクトロニクス・プラズマ
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
水島 健 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 助教 (50379707)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2007: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 超流動 / ボース凝縮 / 量子エレクトロニクス / 中性原子 |
Research Abstract |
中性フェルミ原子気体の超流動状態の理論的研究を行った。昨年度は,2成分からなる中性フェルミ原子気体を考え、その粒子数比が異なる状況化において Fulde-Ferrell-Larkin-Ovhinnikov(FFLO)状態と呼ばれる空間振動した超流動状態が弱結合極限において実現し得ることを指摘した。本年度は解析を実際に実験が行なわれている強結合領域へと拡張した。粒子間相互作用を強くすることで,FFLO 振動の空間変調が短波長へとシフトしていき,更に強結合極限ではFFLO状態は不安定化し,超流動相とスピン編極した常流動相とが空間的に相分離した状態が実現されることを指摘した。これらの結果は実験結果を良く再現している。また, FFLO 状態の間接的な証拠を実験的に得るための方法を理論的に提案した。 一方で,中性ボース原子気体の超流動状態についても調べた。近年,大きな磁気的双極子モーメントを持つボース・アインシュタイン凝縮体の研究が活発に行われている。磁気的双極子モーメント同士は長距離相互作用を示し,更に,空間的に異方的な相互作用である。この双極子-双極子相互作用と原子スピンの勾配エネルギーとの競合の結果として,自発的に原子スピンに流れが誘起される(スピン織目構造)。我々はこの事実を,磁気的双極子モーメントが非常に大きな極限からのアプローチを用いて明らかにした。また,局所スピン密度は双極子-双極子相互作用を介して粒子密度と結合している。この結果,この非自明なスピン織目構造は原子密度に大きな空間変調をもたらすことも指摘した。このような非自明なスピン織目構造と原子密度の変調等は,系の幾何学的な対称性等に敏感であり,原子気体を捕獲しているトラップポテンシャルの形状を変化させることで様々なスピン構造を実現することが可能であることを示した。
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Report
(3 results)
Research Products
(20 results)