クラスター的微小地震活動の発生メカニズムの解明-流体移動で地震は起きるのか?
Project/Area Number |
17740285
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Solid earth and planetary physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 愛太郎 東京大学, 地震研究所, 助手 (20359201)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 微小地震 / クラスター / 精密震源決定 / トモグラフィー / 地殻構造 / 地殻内流体 / 稠密地震観測 |
Research Abstract |
和歌山県有田郡の微小地震クラスター直上での地震観測を継続した。観測網を南側に拡張し、昨年度の3ヶ月に間に加えて、さらに1ヶ月間連続記録の収録をおこなった。得られた波形データの質は、大変良好であった。マグニチュード-0.3以上の微小地震約1200個に対して、P波・S波の到達時刻と初動極性の手動読み取りをおこなった。その後、波形相関法により多数の高精度相対走時差データを得た。絶対・相対走時差データを用いて震源決定・応力場推定・地震波速度構造の推定をおこなった。その結果、相対震源決定精度が数十m以下の高精度な震源を得ることに成功した。微小地震は複数の大きさの異なるクラスターに分かれて分布する.南側では,深さ6kmに地震が主に分布する。一方、北側では深さ5kmと10kmの二つの面に分かれて地震が分布し、両者の間に地震が全く発生しない領域が存在する。表層のリニアメントの走行とほぼ平行に最大のクラスター(2km四方)が深さ7kmに存在する.応力場解析の結果によると、最大主圧縮軸は低角でほぼ東西方向を向き広域応力場の方位に一致する.マグニチュードが小さい地震に対しても、局所的な応力場の乱れは小さく、広域応力場を反映して地震が発生することを意味する。地震波速度構造解析により微小地震発生域は、低速度域に対応することが明確に示された。地殻内流体が存在すると、その場所は周囲よりも低速度になるため、クラスター的微小地震活動の発生域に地殻内流体が存在することを強く示唆する。また、クラスター的微小地震の移動(移動速度〜300m/year)も確認された。以上より、クラスター的微小地震活動に地殻内流体が強く関与していることを定量的に示すことに成功した。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)