Project/Area Number |
17740364
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Plasma science
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井 通暁 大阪大学, 大学院工学研究科, 講師 (00324799)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | プラズマスラスタ / 高周波放電 / 回転磁場 / 宇宙衛星 / プラズマ応用 / 電流駆動 / 電気推進 / ホール効果 |
Research Abstract |
回転磁場によってプラズマ中に周方向電流を定常的に駆動し、これと径方向バイアス磁場との間のローレンツカによって軸方向の推力を発生させる新たなプラズマスラスタ方式を提案し、その特性を調べるための基礎実験を実施した。真空チャンバ中に設置した直径約5cmの円筒容器に2相2極構造の回転磁場生成用アンテナを配置し、燃料用ガス(アルゴン、キセノン)を供給しつつ、2組のインバータ電源によって最大1.25MHzまでの高周波電流を印加した。回転磁場はプラズマ内に周方向電流を流すだけでなく、高周波放電によるプラズマ生成の役割も担っており、これにより装置の小型化が実現されている。約6A以上のアンテナ電流を印加した場合には、高密度(n_e>5x10^<18>m^<-3>)のプラズマが形成され、プラズマの電力吸収効率の急激な改善が観測された。磁場測定結果から、プラズマ内部に駆動されている周方向電流密度は最大で約100kA/m^2と見積もることができ、これは円筒状のプラズマが剛体的に回転磁場に同期して回転していると仮定した場合の電流密度と同程度の値となっている。本実験では回転磁場はほぼプラズマ中心まで浸透しており、プラズマの回転によってスキン長が等価的に増加していることを示唆している。また、印加するバイアス磁場を変化させることによってプラズマ密度の空間分布に変化が観測されており、これはローレンツカによって軸方向の速度分布が影響を受けていることの間接的な証拠であるといえる。実験結果を元に放電モデルを構築し、効率的に推力を発生できるようなバイアス磁場発生用コイルの形状最適化に関する知見を得ることができた。本提案方式は無電極での電磁加速を実現するという点において画期的であり、本研究はその実現可能性を示すことに成功した。
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