Project/Area Number |
17740369
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Plasma science
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
田中 邦翁 上智大学, 理工学部・化学科, 助手 (60276516)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 大気圧グロープラズマ / プラズマ重合 / ポリエチレン / 堆積機構 |
Research Abstract |
プラズマ重合によるポリマー薄膜コーティング技術では、平滑な膜を処理表面上へ均一に堆積させることが非常に重要な要件となる。大気圧グロープラズマによる薄膜堆積では低圧グロープラズマに比べ、薄膜の形状が装置や処理条件に大きく左右されるが、その相関についてはほとんど明らかになっていない。 本年度は昨年度に引き続き、大気圧グロープラズマによるポリエチレン薄膜の堆積を行い、放電条件と膜の形状や堆積速度、プラズマガス分析の結果との相関を調べた。特に、試料ガスの流量を限界まで少なくさせていくことで、ガスの放電場における滞留時間を長くした場合について研究を行った。 実験には、パイレックスガラス板を組み合わせて作製した矩形の筒を二つの電極で挟んだ構造の放電管を使用した。この装置を用いることで、ガスの流れを一方向に制限でき、ガスの放電場での滞留時間と構造との関係を調べることができる。 膜の形状は、流速が遅くなるほど、すなわち滞留時間が長くなるほど、平滑な膜状の堆積物よりも粒子状の重合物が生成することが見いだされた。GC-MSを用いた、気相中の生成物分析を行ったところ、エチレンよりも高分子量の炭化水素化合物が生成するのと同時に、メタンの生成が顕著にみられた。このことから、滞留時間が長くなるにつれて反応時間が長くなるだけでなく、1分子に加わる総エネルギー量が増え、気相中での反応がより顕著になり、肉眼で観察可能なほど大きな粒子状生成物が生成することが明らかとなった。すなわち、平滑な膜状の生成物のみを得たいならば、気体の流れがよどまないような装置設計が重要である。 一方、導入した原料ガスの利用効率を調べたところ、基板表面近傍に存在する活性種だけが膜状堆積物の成長に関与することが見いだされた。すなわち、原料の利用効率を上げるためには、電極間距離を狭めればよいことが示唆された。
|