3D-RISM/スモルコフスキー理論による電解質水溶液の超音波吸収の研究
Project/Area Number |
17750011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山口 毅 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助手 (80345917)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 電解質水溶液 / 超音波吸収 / 一般化ランジュバン方程式 / モード結合理論 / 部分モル体積 / イオン対 / 電解質溶液 / 積分方程式理論 / スモルコフスキー理論 |
Research Abstract |
統計力学理論を用いて、微視的相互作用から電解質溶液の超音波吸収スペクトルを計算するための理論的定式化を行った。超音波吸収を与える周波数依存の体積粘性率は、久保-グリーンの公式を用いて、圧力揺らぎの時間相関関数と関連付けられる。本研究では、圧力揺らぎをイオン間の二体分布の揺らぎに射影して、イオン間の相対運動と超音波緩和を結びつけた。その際の結合定数として、距離依存の「超音波緩和に有効な」イオン対の部分モル体積の微視的表式も与えられた。 イオン対の熱力学的体積は、イオン間距離の関数として、デバイ長程度の距離で減衰し、大きな濃度依存性を持つ。一方、「超音波緩和に有効な」体積は、有限濃度でもクーロン型の漸近形を持つことが理論的に示され、また、濃度依存性も比較的小さいことが、以下の述べる数値計算で示された。 数値計算は、170mMの硫酸マグネシウム水溶液を模した系で行った。イオン間の相関関数は、DRISM/HNC理論を用いて求めた。 数値計算の結果、100kHz近傍と500MHz近傍に大きな緩和が存在するという実験の特徴を再現する結果を得ることができた。また、500MHz近傍の緩和がデバイ型関数から外れた関数形を持つという実験の特徴も再現された。解析の結果、100kHz近傍の緩和は、Eigen-Tamm機構で提案されている通り、Contact ion pairからsolvent-separated ion pairへの遷移に帰属されるが、500MHz近傍の緩和がデバイ型から外れる理由は、solvent-separated ion pairが二種存在するというEigen-Tammyの帰属よりむしろ、拡散律速反応の過渡効果を反映しているという解釈の方が適当であることが分かった。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)