最適化紫外極短パルス光を用いたコヒーレント核運動の観測と制御
Project/Area Number |
17750026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
竹内 佐年 独立行政法人理化学研究所, 田原分子分光研究室, 先任研究員 (50280582)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 極短パルス / スペクトル位相 / 位相変調 / SPIDER / 時間分解分光 / ポンプ・プローブ法 |
Research Abstract |
本年度は、光化学過程の位相変調実験に必要な位相変調紫外パルス光を発生させるため、これまでに準備した位相変調器をもちいて紫外極短パルスのスペクトル位相を定量的に設定、制御し、その結果を周波数領域の干渉を利用したSPIDER法を用いて確認する実験をすすめた。定量的な位相変調を行うためには、変調素子である石英板の傾斜角とそれを制御するピエゾ素子に印加する電圧との間の関係を正確に知る必要がある。このため、石英板にレーザー光を当てその反射角を測定する方法で傾斜角-電圧特性を評価し、それを多項式表示した場合の係数を全48素子について各々求めた。実験は再生増幅したチタンサファイアレーザーで励起した非同軸光パラメトリック増幅器の出力を第2高調波に変換し、発生した紫外パルス光(波長360nm、パルス幅20fs)を用いて行った。周期的なスペクトル位相に対応する電圧パターンを印加し、SPIDER法で位相の変化分を測定したところ、同じ周期をもつスペクトル位相パターンが確認された。この結果は、本変調器をもちいて紫外パルス光のスペクトル位相を定量的に変調できていること、および、その位相構造をSPIDER法により正確に観測できていることを示しており、これまで困難とされていた紫外光の直接的な位相変調を実用的なレベルで実現できたといえる。現在、この位相変調された極短紫外パルス光をもちいて反応分子を光励起し、これにより生じるコヒーレントな分子振動(核波束運動)が光位相に応じて変化するかどうかを目標に実験をさらに続けている。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)