Project/Area Number |
17750100
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Polymer chemistry
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Research Institution | Gunma University (2006) Yamagata University (2005) |
Principal Investigator |
永井 大介 群馬大学, 工学部, 助手 (30375323)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | 二酸化炭素 / 炭酸セシウム / 2-アミノベンゾニトリル / キナゾリン誘導体 / 触媒活性 / アミジン骨格を有するポリスチレンビーズ / リサイクル |
Research Abstract |
我々はこれまで、N-メチルテトラヒドロピリミジン、あるいはアミジン構造を有するポリスチレン誘導体存在下で2-アミノベンゾニトリルと二酸化炭素を反応させることにより、医薬品の合成中間体であるキナゾリン誘導体が合成できることを報告してきた。1)この反応は二酸化炭素の有効利用の一つとして有用な反応系になりえることが期待される。今回、さらに活性の高い触媒の探索を目指し、アルカリ金属炭酸塩存在下での2-アミノベンゾニトリルとCO_2の反応を検討した。 まず、2-アミノベンゾニトリルに対して0.5当量のアルカリ金属炭酸塩(Li_2CO_3、Na_2CO_3、K_2CO_3、Cs_2CO_3)を用いてCO_2との反応をジメチルスルポキシド中100℃で24時間行ったところ、Cs_2CO_3が最も高い活性を示すことが分かった(93%)。さらに、反応の効率化を目指し、0.1当量のCs_2CO_3を用いて同様の反応を行ったところ、かメチルテトラヒドロピリミジンを用いた場合の生成物収率は59%であったのに対し、今回はほぼ定量的に生成物が得られることが明らかとなった(95%)。これは、反応中間体であるカルバミン酸塩を経由してキナゾリン誘導体が生成するが、対カチオンであるCsカチオンがカルバメートアニオンのフリーイオン性を高めるためであると考えられる。さらにCs_2CO_3の応用範囲の拡張を目指し、種々の置換基を有するキナゾリン誘導体の合成を試みた。0.1当量のCs_2CO_3を用いて種々の置換基(クロロ基、ニトロ基、メトキシ基)を有する2一アミノベンゾニトリルとCO_2の反応を行った結果、いずれの場合にもほぼ定量的にキナゾリン誘導体が得られることが分かった。注目すべきことに、電子吸引基が置換された2-アミノベンゾニトリルを用いた場合にも高収率で生成物が得られることが分かった(クロロ基:90%;ニトロ基:93%)。以上の結果から、Cs_2CO_3はキナゾリン誘導体合成において非常に有用な触媒であることが示された。 1)永井大介,遠藤剛,"アミジン構造を有するポリマーを用いたキナゾリン誘導体の合成"日本化学会第85回春季大会,横浜,2005年3月.
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